事務所だより

えん罪名張毒ぶどう酒事件 愛知の会総会開催!

2017年01月12日

 2015年11月22日に名張事件愛知の会の第2回総会を、ウインクあいちで開催しました。
総会では、第7次再審当時名古屋拘置所に拘置されていた奥西勝さんと面会して供述分析を行い、昨年「名張毒ぶどう酒事件 自白の罠を解く」を上梓された奈良女子大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授の浜田寿美男先生に記念講演をいただきました。浜田先生は、捜査機関の予断によってえん罪がつくりだされる構造を明らかにし、無実の人が陥る虚偽供述とはどういうものか、また、その「自白」が無罪証拠になることを心理学の専門家の見地からわかりやすく説明してくれました。

 また、記念講演に先立ち弁護団の小林修先生から、2015年11月6日の第10次再審申立以後25件に及ぶ新証拠を提出し、度重なる証拠開示命令の申立・三者協議(進行協議)の申し入れといった積極的な取り組みを行っていること、一方、審理にあたっている刑事第1部(山口裕之裁判長)は、申立から一年以上が経過しながら、未だ三者協議開催の必要性を認めない不当な対応をとり続けていることが報告されました。弁護団の再三の申し入れにより、ようやく総会当日の11月22日に裁判官との面談が行われましたが、それも裁判長は同席せず主任の出口裁判官一人の対応で、しかも、冒頭に書記官から「この面談は非公式なので記録には残しません」との発言がなされたとのことです。主任裁判官も担当検察官も昨年赴任したばかりで、きちんとした検討はこれからという状況のようです。こうした、あまりにも無責任な裁判所の対応は決して許せません。

 総会では、消極的な裁判所・検察庁に真剣な対応を迫るため、引き続き毎月の要請行動・署名の積み上げに力を尽くすと共に、事件発生から56年、再審開始決定から12年となる3月28日(事件当日)から4月5日(再審開始決定日)までを支援集中期間と位置づけること、4月5日に裁判所前で終日行動に取り組むことを決めました。引き続くご支援をお願いします

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