~15周年特集 在留資格のない外国人の在留特別許可事件
1 2007年に外国人200万人時代を迎え、ここ名古屋でも外国の方を見かけるのが日常の風景となりました。名古屋北法律事務所では、外国に ルーツのある方々の、結婚や離婚、相続などの家族関係事件、労働事件、在留資格に関する事件にも積極的に取り組んでいます。
2 日本には様々な事情で在留資格のない外国人がいます。在留資格のない外国人は原則的には強制送還の対象となりますが、人道上の必要性が認めら れる場合などに、特別に在留が認められる場合があります。この「在留特別許可」案件でも実績を積み重ねてきました。
3 もっとも多いのは日本人と結婚し、日本で夫婦生活を続けることを希望する方のケースです。韓国、パキスタン、ブラジル、ペルーなど様々な国の クライアントについて日本人の配偶者ビザを取得してきました。偽装結婚を疑われて退去強制令書が発付され、訴訟でその取消を求める事件や、退去強 制令書の発付後に日本人配偶者と出会って結婚し、再審を求める事件など、様々な手続きについて代理人活動を行っています。在留特別許可を得た後 に、依頼者ご夫婦にお子さんが生まれて、幸せいっぱいの報告を受け取った時などは弁護士としてもしみじみと嬉しくなる瞬間です。
4 また、親がオーバーステイなり不法入国(偽造パスポートでの入国等)なりで在留資格がないため、日本で生まれ育ったその子どもも在留資格がな いケースで、親子の在留特別許可を取得する事案も手掛けてきました。日本語を母語として日本の学校で教育を受けてきた子どもたちにとって、本国へ の強制送還は、教育の断絶や言葉を含めた異文化の受容など大変な困難を伴います。在留資格がないと親は就労できないため、貧しい生活を耐え忍び、 いつ自分の将来が断ち切られるかわからない不安の中で学校に通っているお子さんが、ついにビザを得て家族と泣きながら抱き合う姿には、こちらも胸 が熱くなります。
日本人配偶者のケースと比べて親子で明暗が分かれたり、本国の状況の立証が求められたりと難しいケースが多く、多年にわたる取り組みが必要とな ることも多いですが、引き続き取り組み続けたい分野です。
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