愛知県弁護士会が秘密保全法反対のデモ行進を行います!
愛知県弁護士会が、秘密保全法に反対するデモ行進を行います。
10月16日(水)18時〜
スピーカーズコーナー(スピーチ集会)を若宮大通公園(地下鉄「矢場町駅」4番出口南西)で開催し、そのあとデモ行進を行います。
デモコースは、若宮大通公園 〜 錦通大津交差点 〜 伏見の予定です。
皆さん、戦争をする国づくりの一環の危険な企みを国民の声でやめさせましょう!
特定秘密保護法案(秘密保全法)、政府が検討している政府原案の危険性は、愛知県弁護士会の新海弁護士が、愛知県弁護士会のホームページで指摘されています。
http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/737jiyu.html
政府は9月3日、「特定秘密保護法」と題した法案の「概要」を公表したことにひきつづき、同月27日、マスコミを通じて政府原案を公表した。10月の臨時国会にむけて、立法準備を加速していることは間違いない。
政府原案では、特定秘密の対象とする分野を、防衛、外交、外国の利益をはかる目的での安全脅威活動、テロ防止活動の4分野とし、このうち、「我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要である」と行政機関の長が判断したものを「特定秘密」に指定できると定めている(3条)。しかし、実際は自衛隊や米軍,外交情報のほとんどすべてを特定秘密の対象とし得る内容であるばかりか、テロ対策の名の下、原子力発電所の苛烈事故に関する情報や原発の開発に関わる情報までも特定秘密に指定できる内容となっているから、結局のところ、政府が公開を望まない情報についてはすべて「特定秘密」として、情報を非公開とするだけでなく、漏えいを厳しく処罰できる内容となっている。また、原案の20条には「報道の自由に十分に配慮するとともに、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない。」として、報道の自由との調整をはかるかのような文言が存在しているが、リップサービスにすぎない。秘密保全法はもともと憲法が保障する報道の自由や国民の知る権利の制限を内容とする法律であるから、20条のような文言の有無にかかわらず、その適用が報道の自由や基本的人権を制約するという結果は絶対に避けられないからだ。
さらに、政府原案の10条1項は、特定秘密の国会議員への提供について、秘密会であること、特定秘密を知ることのできる範囲と特定秘密の目的外利用(法案審議以外の利用)の禁止について政令で定めたルールが存在することを要件とし、そのうえで、行政機関の長に、国会議員に特定秘密の提供をしてもよいかどうかの裁量権を認めている。しかし、この点は国会での審議に必要な情報の国会への提供を官僚が自由にコントロールできることを意味するもので、大問題だ。国会が「国権の最高機関」であり、国会審議を通して世論を形成するという憲法の大原則に反するからだ。
また、政府原案は特定秘密の範囲を明らかにするために「当該情報を化体する物件に特定秘密の指定をする」と定めている(3条2項1号)が、コンピューターのデータなど、電磁記録についてはこのような指定は無理だ。過失による情報漏えいも処罰されるため、情報を扱う人は誤って情報開示するリスクを避けようと、特定秘密に指定されていない周辺情報も不開示としがちになる。個人情報保護法ができた当時の過剰反応のように、本来、公開されるべき情報を非公開とする事態が生じることが予想できる。
「特定秘密」の有効期間(上限5年で更新可能)があるかのような条項(4条)も「特定秘密」指定の乱発を招く危険があるだけだ。仮に、3ヶ月で「特定秘密」の指定が解除されたとしても、それが緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI=スピーディ)情報の場合はどうだろうか。福島第1原発事故では、スピーディの情報公開の遅れを批判できた。秘密保全法ができれば、最も公開されなければならない時期に情報を非公開とすることが堂々とまかりとおる可能性すらある。また、期間延長を延々と繰り返すことで、本来国立公文書館で閲覧に供されるべき外交情報も永遠に国民の目に触れさせないようにすることも可能である。
秘密保全法の制定は、ぜひとも阻止しなければならない。(了)
〜デモ行進(パレード)にご参加ください〜