『ぷらっとほーむ』権利擁護の人づくり講座 に参加して2
ぷらっとほーむ 第2回 権利擁護の人づくり講座
地域包括ケアの現状(医療編)に参加して
2013年2月12日(火)に午前は医療福祉アセスメントの基本 講師 海南病院 医療ソーシャルワーカー 佐藤和子さん 地域包括ケアの構築に向けて−医療福祉の現場からー。午後は医療福祉ケアの現状(医療編) 講師 名古屋第二赤十字病院 医療社会事業課 係長 坂本理恵さんの講座に参加しました。
医療制度改革が始まり医療現場は、長年ひとつの病院で入院することは出来ず、患者をベルトコンベアに乗せるが如く、的確に治療し、地域完結医療として地域全体で包括ケアシステムを構築し、患者を地域に戻って行けるように支援しています。
佐藤さんは、20年後の高齢者たちは、死に場所難民だ。どこで死んだらいいのか。大変な時代になると言われました。病院で最後を迎えられない状態だと、在宅が良いのだろう。安心して住みなれた自宅で、介護保険を十分に利用し、開業医と連携し、バックアップ機能で包括支援センターにうったえ、隙間を埋め込んでいく。電球換え、手紙が読めないなど少しの手助けをしてもらう。家族がいたら出来たことかもしれないが、出来ない人は地域で支えていかなければならない。
第二日赤の坂本さんがまとめで
1.遠慮せずコミュニケーション。採血しても異常がないと伝えない場合がある。気になる場合は聞く
2.自分に合う医療費助成・福祉制度の活用。知らないと損する場合がある。
3.より良い療養先を探していく
4医学の進歩で選択が必要な時代。どこまで治療するか家族で話し合う。 とおっしゃいました。
2は医療・福祉は何でも契約になる。自分で調べて得な方法を取っていかなければ損をする時代なんだと。また、4に関して、私たちはいつ病気になるか分りません。そんな時、最近の医療は本人または家族に、延命措置をするか聞くそうです。人工呼吸器を付ければ、意識が無くても息をさせられます。食事が摂れなくても胃ろうで栄養が十分とれ、口から食事を摂取しなくても、生きて行けます。意識が無くても在宅を薦められて、機械に繋がって延命されます。介護者は外出も出来ず、地域の支援を頼りながら生活していきます。佐藤氏と坂本氏両名は元気なときに、病気で入院したときどうして欲しいかを家族や近所の方に話をしておきましょうと言っています。
私は、高齢者が10年―15年と老人ホームのように病院に入院していたという記憶があります。現在の医療は高度急性期病院の平均入院期間は11.6日です。講座を受けている最中、クリティカルパス(患者をベルトコンベアに乗せるが如く、的確に治療する工場の製作過程の名称)の説明を受けたときは、人を物として見ているのではないかと、淡々と話される講師に対し、怒が湧いてきそうでした。しかし、最後におっしゃったのは、「患者の立場 VS 組織の立場 大事なのはバランス感覚」という言葉を聞いたときは、ソーシャルワーカーさんはどちらに偏っても、現在の医療現場では混乱してしまう、苦しんだ結果のバランス感覚という言葉ではないかと思いました。ソーシャルワーカーさんの人間らしさを垣間見て、自分は医療や介護のことをもっと知り、そして延命をするか家族に話をして今後の高齢期に挑んで行こうと、前向きになれました。
伊藤桂子