名張毒ぶどう酒事件 不当決定(5/25)
2012年05月25日
名張毒ぶどう酒事件 不当決定
名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんの再審開始請求に対して、名古屋高等裁判所は、2012年5月25日、奥西さんの再審開始請求を棄却する不当決定を下しました。
この事件は1961年3月28日に発生した事件で、一審は無罪判決を下しましたが、二審の名古屋高等裁判所は死刑判決を下し、最高裁も認めた為、死刑判決が確定しています。
しかし、奥西さんは獄中から無罪を訴え続け、1974年、1975年、1976年、1977年、1988年、1993年と6回にわたる再審請求をしましたが、棄却されました。第7次の再審請求でようやく2005年4月5日に名古屋高裁が再審開始を決定しました。
その後、検察は異議申立を行い、同年の12月26日に再審開始決定が取り消されてしまいました。弁護団は最高裁判所へ特別抗告をした結果、2010年4月5日に再び名古屋高等裁判所に差戻しをしましたが、今回、名古屋高等裁判所は再び再審請求を棄却しました。
一番不当な点は、これだけ多くの新しい証拠が出ているにもかかわらず、再度奥西さんが犯人であったのかどうかを審理すること自体を閉ざしていることです。司法がよってたかって奥西さんが獄中で死亡し、この事件が終結することを期待していると考えざるを得ません。
名古屋北法律事務所では事務局の長尾、近藤、杉原がこの事件の運動面で参加しております。
2012/5/25
弁護士 白川秀之
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