空き家問題
2022年10月04日
高齢化、団塊世代の相続が進む中で、空き家の数が激増しています。
2013年の総務省調査によれば、全国で820万戸、7戸に1戸が空き家となっており、2030年代には3戸に1戸が空き家化という衝撃的な民間予測も出ています。2015年5月に全面施行された空家等対策特別措置法は、防災、衛生、景観等の面で地域住民の生活に影響を与える放置空き家の適正管理や活用を目指す法律として成立しました。
同法の「特定空家等」に認定されると、行政は所有者に対して修繕や撤去の助言等を行うことができます。助言・指導を経ても改善がなく勧告を受けると、固定資産税の特例措置が受けられなくなる不利益もあり、放置空き家の適正管理が期待されます。空き家に至る事情は人それぞれ、社会的要因もあり、簡単に解決しない問題です。誰もが当事者になり得るものとして私たち一人一人が関心を持って考えていかなければなりません。
弁護士 中島万里(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)