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ペーパーレスと契約書の電子化

2022年08月03日

 社会の様々な場面で今、急速にペーパーレス化が進んでいます。
 ペーパーレスとは文字通り、紙を少なくすること。消費する紙の量を減らすことができれば、コスト削減のみならず、地球環境への負荷軽減も期待できます。
 その流れの一つとして、訪問販売等を規制する特定商取引法が改正され、数年内に業者は消費者の承諾があれば紙の契約書の代わりに電子化した契約書を渡せばよいことになりました(施行時期は未定)。管理のしやすさを理由に歓迎の声もある一方で、契約書の内容を確認する機会を逸してクーリングオフ期間を見逃すケースの増加や、消費者被害に遭いやすい高齢者の場合、紙の契約書なら家族やヘルパーが発見して被害を防ぐことができる可能性がありますが、電子契約書ではそれが難しいという指摘があります。持続可能な社会の実現のために必要なペーパーレスですが、消費者を守る観点からは危険もあることに注意が必要です。

弁護士 中島万里(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)

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