自然災害と弁護士活動
令和3年7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区で土石流が発生し、一帯の住宅が流され人命にも被害が生じました。
茶色い土石流が押し寄せる、生々しい映像が繰り返しテレビ等で流されていますが、その度に目が釘付けになります。消防や警察などの必死の救助活動の様子も取り上げられています。
被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。そして今後二次災害等に巻き込まれませんよう、お祈りいたします。どうかお気をつけてお過ごしください。
さて、今回の土石流災害に関して、静岡県弁護士会は、被災当日に、会長談話を公表しました。Twitterを利用して、拡散しやすい形にされているそうです。
その会長談話にもあるのですが、自然災害と弁護士というものは、なかなか結び付かないと思います。
しかし弁護士は常に、弱い立場、苦しい立場にいる市民の皆様に真摯に向き合い、力を尽くすことを使命としています。救助や救命の活動を直接担うことはできませんが、現地でのお困りごとに耳を傾け、必要な支援制度その他の情報をご提供する活動や、面談や電話での無料相談活動など、弁護士ならではの活動があります。
東日本大震災以降、大きな災害の情報に接するたびに、各地の弁護士会や弁護士同士のネットワークは広がり、被災者の方への支援活動を支える仕組みが強化されてきました。
思えば、人吉や球磨を中心に大被害が生じた熊本豪雨災害が発生したのは、昨年7月4日。あれから1年です。けれど熊本県弁護士会では、今年も「豪雨臨時電話相談」を実施しました。豪雨災害に関する法律相談のニーズ(住宅ローンなどについての二重ローン問題や住宅リフォームに関するトラブル等)は、いまも続いています。
災害のときには、身の安全確保が第一です。しかし身体や財産に被害を受けたり行政の対応に疑問があれば、どんな小さなことでも、弁護士に相談していただきたい。
お知り合いで被災された方があれば、ぜひそのようにお伝えください。地元弁護士会の無料法律相談などの活動は、弁護士会のウェブサイト等で確認できるとのことです。
弁護士 山内益恵(名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)