核兵器廃絶への第一歩 禁止条約発効
2021年03月18日
「2021年1月22日」、核兵器禁止条約発効という歴史的な日を迎えました。
この条約は2017年に国連総会で採択された、20条までの条約なのですが、その第15条で、50番目の批准国が現れた後、90日で効力が発生する、とされていました。
50番目はホンジュラス。国連に加盟する国は現在193カ国、現時点(1月22日)で86カ国が署名、52カ国が批准しており、今後まだまだ増えていく見込みとのことです。
この条約は、核兵器を「つくる」「持つ」「使う」「使うと脅す」こと、そしてそれを「援助」「奨励」「勧誘」することを禁じています。
「あらゆる核兵器の使用から生ずる壊滅的で非人道的な結末を深く憂慮し,したがって,いかなる場合にも核兵器が再び使用されないことを保証する唯一の方法として,核兵器を完全に廃絶することが必要」(前文)だという覚悟をもつ、新しい国際法なのです。
残念なのは、アメリカ新大統領のバイデン氏や、我らが菅義偉首相には、まったく関心がないように見えること。唯一の戦争被爆国のトップにして、この態度はいかがなものでしょう。
核兵器保有国は9か国とされています。大国と言われるところが多いのは事実ですが、大国であれば非人道的であってもいいという理由はありません。
広島・長崎の悲劇を身近に知る日本の政府が、なぜ批准しないのでしょう。戦争は儲かるからでしょうか。むいている方向が違うのではないかと思わざるを得ません。
弁護士 山内益恵(名古屋北法律事務所)
(2021年2月「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)