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社会制度の変化

2020年05月11日

1 新年度に入りましたが、今年はコロナウイルスの影響で外出が減ったこの機会こそ前向きに社会制度の変化をおさらいして、契約書の見直し、相続のことなど、考えてみませんか。
 ただし政府の救済措置も出始めています。もし生活苦に至る状況であれば、まず自治体の自立相談支援機関や社会福祉協議会へ。どこに行ったらよいか迷われたときには、名古屋北法律事務所にご相談ください。

 「働き方改革関連法」では、2020年4月1日、2つの大きな変化がありました。

(1)いよいよ中小企業にも残業の上限規制が導入され(原則月45時間、年360時間)、(2)旧パートタイム労働法の対象に有期雇用労働者を加えられ、大企業には今年の4月から(中小企業では来年から)、いわゆる正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の解消が義務付けられました。

 民法の分野でも、さまざまな変化がありました。

(1)債権法の分野では、契約に関する規定を中心に、社会・経済の変化への対応を図るための見直しや、基本的なルールが明文化されました。4月からは、法定利率が大きく下がり、保証人の負担が軽くなります。
(2)相続法の分野では、2018年に成立した改正法のうち最後に残されていた、「配偶者の居住の権利を保護するための条項」が施行となりました。これは亡くなった方の配偶者の生活に配慮するものですが、その配偶者が亡くなる、いわゆる二次相続での大きな節税効果が指摘されています。関連して、法務局での自筆の遺言書の保管制度も今年7月開始です。
(3)家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供するための特別養子制度も、4月から要件が緩和され利用しやすくなりました。
(4)民法改正により、再来年から成年年齢が18歳になります。2022年の4月1日に18歳以上20歳未満の人は、その日一斉に成年に達します。ただし別の法律による年齢制限がありますので、成年になっても20歳まではお酒やたばこやギャンブルはできません。

   

弁護士 山内 益惠 (名古屋北法律事務所)

(2020年4月「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転載しています)

                          

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