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18歳への成年年齢引き下げ

2018年09月14日

成人になる年齢を20歳から18歳に引き下げる法律が通常国会で成立しました。

 2022年4月1日から施行されます。明治9年に成人年齢を20歳とする太政官布告が出されてから146年ぶりの改正です。成人式はどうなるのか等、話題になっていますね。日頃は制服を着る高校生が着物を着て成人式に出ることになるのでしょうか。親のすねをかじり、校則に縛らている高校生が「大人」と言われても戸惑うのではないかと思います。

 既に選挙権は18歳に引き下げられていますが、今回の改正は若者、国民の暮らしに影響を与えます。便利になる面もあることは確かです。有効期間10年のパスポートはこれまでは20歳以上しか取得できませんでしたが、18歳から取得できます。

 18歳になると売買契約や金銭消費貸借契約、建物賃貸借契約といった各種契約=自分の権利、義務に影響を与える行為=が自分の判断でできるようになる-これは便利な面もあり、自立を促す効果もあるでしょうが、同時に危険性があります。18歳を過ぎれば、高校生であっても自分の判断だけでクレジットカードも持てるし、消費者金融から融資も受けることができ、自動車も購入できるーなんだか少し心配になりませんか。未成年がこうした契約を行った場合には親権者が無条件で取り消すことができますが、18歳以上が成人となると取り消しは認められません。街頭でキャッチセールスにつかまり、化粧品やエステ、英会話教材を高い値段で購入してしまったり、といった相談が時折持ち込まれます。

 最近は、インターネットの普及で簡単にほしい物やサービスにアクセスできることもあり、若者の消費者被害が増加するのではないかとの懸念が広がっています。学校での消費者教育の強化とともに消費者の保護の立場からの法改正が求められていると思います。

 

 弁護士 長谷川 一裕  (名古屋北法律事務所)

(「新婦人北支部・機関誌」へ寄稿した原稿を転機しています)

 

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