日本労働弁護団の国会前行動に行ってきました。
8 月 19 日衆議院第二議員会館前にて、名古屋北法律事務所の弁護士が全員所属をしている日本労働弁護団主催で「労働法制改悪阻止 8.19 国会議員会館前行動」が開催されました。当事務所からは弁護士の白川が参加しました。
大雨・雷と大変な悪天候の中でしたが、労働組合や市民約2000名が集まりました。
日本労働弁護団は労働者側で労働事件を闘う弁護士の集団で、今年設立 60年になりますが、初の国会前行動です。
現在、政府は労働法制改悪をすすめており、その代表が「定額¥働かせ放題法案」(残業代ゼロ法
案)と呼ぶべき労働基準法の改悪です。具体的には、高度プロフェッショナル制度創設と裁量労働制の大幅規制緩和を内容とする制度導入です。
高度プロフェショナル制度とは、一定の年収以上の人を労働基準法の労働時間規制の適用から外してしまう制度です。現在は年収1075万円以上とされていますが、これは法律で定められているわけではなく、省令などを改正することで年収要件を下げてしまうこともできてしまいます。
また、裁量労働制の緩和は課題解決型提案営業を対象に加えようとしています。課題解決型提案営業とは単に商品を売り込むだけでなく、顧客のニーズを商品開発に反映させる営業ですが、最近では多くの営業は多かれ少なかれ課題解決型提案営業といえます。そのため、多くの営業社員が対象に含まれてしまいます。
この問題のある法律は秋の臨時国会で成立してしまう危険がありますが、この法律は現在の長時間労働を抑制しようという流れとは正反対といえます。
多くの方にこの法律の実質を知っていただき、反対の声をあげていきましょう。
2017年8月24日 弁護士 白川秀之