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「遺言」(3)遺言書のつくりかた

2015年07月21日

 一口に遺言書といっても、いくつかの作り方があります。今回はその辺りをご紹介しましょう。

・自筆証書遺言

 一番簡単にできるのは、自筆証書遺言と呼ばれるものです。費用も特にかかりません。

 遺言を書く人(遺言者)が、遺言の全文、日付、及び氏名を自署し、署名の後に印を押せばできあがりです。印は認め印でも拇印でも構いません。

 一人で作成できるので、遺言を書いたことを秘密にしておけますが、紛失したり、遺言を見つけた人が隠匿や破棄をしてしまう可能性もあります。

 また、亡くなった後に、家庭裁判所で遺言書の形状と内容を確認して記録する「検認」という手続をとる必要があります。

・公正証書遺言

 確実な方法としては、公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。

 二人以上の証人が立会い、遺言者が遺言の趣旨を口頭で説明し、公証人がこれを筆記して読み聞かせ、遺言者と証人が文章の内容が正確なことを確認して署名押印します。さらに公証人が方式に従って作成した旨を付記して署名押印することでできあがりです。

 紛失や隠匿、破棄などの心配がなく、家庭裁判所での検認も不要です。証人を用意したり、公証人手数料がかかるなどの負担はありますが、確実性を優先するのであればこちらをお勧めします。

・その他

 上の二つがメジャーどころですが、ほかにも秘密証書遺言というものや、死期が迫っている場合の死亡危急時遺言という特別の方式もあります。お困りの時は弁護士に相談されると良いでしょう。

弁護士 鈴木哲郎

(「商工新聞」 名古屋北部民商へ寄稿)

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