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高齢者の財産管理と成年後見人制度

2005年10月01日

 高齢化社会、核家族化の進展の中で、判断能力が低下した高齢者の財産と権利を様々な危険、リスクから、どのように守るかが重要なテーマとなってきました(65歳以上の高齢者人口は、2488万人 総人口の19.5%、そのうち認知症高齢者は180万人と想定される)。核家族化の中で、一人暮らしの高齢者も増えています。「住宅リフォーム詐欺」等の高齢者をターゲットにした悪徳商法が後を絶たず、また、親族や近隣の関係者が、判断能力の低下に乗じて高齢者の財産を使い込んだり、勝手に処分してしまう事例もあります。高齢者だけではなく、知的障害者(46万人)、精神障害者(258.4万人)の方々にも同様の危険性があります。

 平成12年4月に施行された成年後見制度は、高齢者、障害者の財産と権利を守る上で役に立つ制度です。

 成年後見制度の概要は、別表の通りです。
認知症等で判断能力を失った方については、家裁に申し立てれば後見人が選任され、財産に関する法律行為は、「日用品の購入等日常生活に関する行為」をのぞき、全て後見人が行います(代理権)。但し、居住用の不動産の売却、賃貸等は、裁判所の許可が必要です。

 判断能力が低下した高齢者、障害者については、その程度に応じて、保佐人、補助人が選任されます。保佐の場合は、不動産の処分等の重要な行為についてのみ保佐人の同意が必要です。補助の場合は、裁判所が特定した行為についてのみ、補助人の同意が必要です。

 補助の申立や保佐人や補助人に代理権を付与するためには本人の同意が必要です(本人の意思の尊重)。

 後見人等は、配偶者や親族が選任されることが多いのですが、財産をめぐるトラブルが予想される場合には弁護士等の専門家が選任されます。愛知県弁護士会は、「高齢者・障害者綜合支援センター」(アイズ)を設置し、後見人候補の推薦や様々なサービスを行っています(私も、アイズに登録して活動しています)。申立費用は、家裁への申立費用(印紙、郵便切手等)1万円弱の外、鑑定費用は5万円前後です。

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