変わった法律用語
ちょっと変わった法律用語
法律の世界では、日常とはちょっと違った読み方、意味を持っている用語がたくさんあります。ここでは、その中の代表的なものをご紹介します。
変わった用語編
社会生活の中で、人によかれと思って行動したりすることを、「善意」で行動する、と言います。また、人を不当に陥れたりする意図のことを「悪意」に満ちた行動と言ったりしますね。
しかし民法では、「善意」とはある事柄について知らなかったことの意味で用いられ、「悪意」はその逆に、ある事柄について知っていることの意味で用いられます。例えば、民法192条の規定では、盗まれた物(動産)を(売主が所有者でないこと)を善意で(知らないで)購入して手に入れた場合にはそのものの所有権を取得できますが、悪意で(盗まれた物であることを知って)買った場合には所有権を取得できません(ただ、不注意で知らなかった場合には所有権の取得はできません。)
変わった読み方編
民法の法律用語では日常生活では絶対しないような読み方をする用語があります。
例えば、「遺言」と言う言葉は日常的には「ゆいごん」と読みますが、民法では「いごん」と読みます。また、「競売」は日常的には「きょうばい」と読みますが、民法では「けいばい」と読みます。
他に変わった読み方としては次の物があります。
立木 「たちき」ではなく、「りゅうぼく」
入会権(山などを利用するための権利 「にゅうかいけん」ではなく、「いりあいけん」と読みます。
変わった使い方編
法律用語や、法律家の書いた文書では、変わった使い方をするものもあります。
例えば、「きょうはく」について、民法の条文では、「強迫」とされていますが、刑法では「脅迫」と規定されています。これは、二つの意味が異なるためで、刑法の方が程度が強いことが要求されます。
また、法律家の書いた文書では、誰それの「意志」とは書かず、必ず「意思」と書きます。これは、民法で「意思」と規定されていることが理由です。