セクハラについて
セクハラという言葉は、皆さん必ず聞いたことがあるほど、日本で普及してきました。
今回は、セクハラについて、どういったものがセクハラに当たるのか、セクハラを受けた場合の対処法についてお話ししたいと思います。
◆どう言ったものがセクハラに当たるの◆
男女雇用機会均等という法律では、「職場において行われる性的な言動で女性労働者の対応によりその労働条件につき不利益を受けること、またはその性的な言動により当該女性労働者の就業環境が害されること」をセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)と定義しています。
例えば、しつこく食事やデートに誘ったり、性的関係を強要し、拒否した場合に労働条件で不利益を課すものは「対価型」のセクハラと言います。性的な冗談を言ったり、からかったり、わいせつな絵や写真の掲示することは、女性労働者の就業環境が害されるので、「環境型」のセクハラと言われています。
セクハラの判断基準は一言で言って、受ける側が不快に感じるか、あるいは不利益を被るかどうかで判断するものです。
◆セクハラの対処法◆
セクハラに対する対処法として最も有効なのは、されたことに対して「ノー」と表明することだと思います。ただ、実際にセクハラを受けた人の対応として7割以上が消極的な対応しか取れないようです。
友人や同僚、上司に相談することも有効です。セクハラが社会問題になって以降、企業でもセクハラ相談専門の窓口を設けている所も増えています。企業は法律上、セクハラ防止のために雇用管理上必要な配慮をすることが求められています。
また、セクハラを記録し続けることも重要です。具体的には?日時、?場所、?具体的な内容、?目撃者の名前、?セクハラをした人の名前、をメモしておく事も大切です。
◆法的手段で争う◆
セクハラを法的に争う方法として、企業に対して損害賠償請求をする方法があります。企業は、労働者に対し、従業員の労働環境を調整し、快適な労働環境を提供する義務があります。そのため、企業がセクハラを認知したにもかかわらず、放置した場合には、この義務を怠ったものとして、債務不履行責任を負うことがあります。
また、2007年の男女雇用期間均等法改正によって、企業がセクハラ防止に何ら対策を講じず、是正指導にも応じない場合には、企業名が公表されることになりました。そういって、是正指導を求めていく方法も有効です。
法的手段で争う場合には一度弁護士に相談されることをお勧めします。
2014/3/4 弁護士 山内益恵(やまうちますえ)
(「新婦人きた」へ寄稿)