「買え買え詐欺」にご注意を
国民生活センターによると、高齢者を中心に、未公開株などの詐欺的なもうけ話のトラブルが近年非常に多く寄せられているとのことです。これらのトラブルはマスコミで報道され、大分知られるようになったのですが、これらのトラブルが減らない背景の一つとして、「買え買え詐欺」ともいえる「劇場型勧誘」の手口がより巧妙化、悪質化していることが挙げられます。
例えば、自宅にA社(販売会社)の未公開株、怪しい社債、ファンド、怪しい権利取引等のパンフレットや申込書が送られてきます。パンフレットには「エコロジーです!社会貢献してます!将来有望です!(注)」などと書かれています。その後、B社から「A社の封筒は届いてないか。A社が販売している商品は大変価値があるが、封筒が届いた個人しか購入することができない。代わりに買ってくれれば権利を高値で買い取る。」または「代理で購入して欲しい。謝礼を支払う。」という連絡があります。B社からの勧誘の決まり文句では、「必ずもうかる商品。僕は買えないので、代わりに買ってくれませんか!?高値で買い取りますよ。」と勧誘し、信用した高齢者はA社に商品の購入を申し込み、代金を支払います。ただ、代金を支払うと最終的にA社B社ともに連絡が取れなくなり、商品だけが消費者の手元に残るのです。
最近の相談事例では、「オリンピック関連企業への投資のパンフレットが全国500名限定で送付されるので、届いたら権利を譲ってほしい」と言ったその時々に話題になっている事項に関連した勧誘をする事案もあるそうです。
自分が持っていない金融商品や権利について買い取るから利益になるなどと、他社と契約させようとする話には絶対耳を貸さないでください。
以上
2013年12月3日 弁護士 白川秀之
(「年金者しんぶん」へ寄稿)