知的財産法(7)−著作権トラブル相談室2
今回も、著作権にまつわる身近な問題について取り上げます。
「店舗における音楽の利用」について、みなさんは考えたことがあるでしょうか。
Q.私は飲食店を経営していますが、店内でBGMとして音楽CDをかけることは著作権法上問題ないでしょうか?
A.問題になり得ます。
自分で買ったCDをどう使おうと自由だと思われるかもしれませんが、そうではありません。
お店に来たお客さんのように不特定の人に向けてCDを流すという行為は、著作権法でいう「演奏」に当たり、著作権者の「演奏権」を侵害する可能性があるのです(自分が演奏しているわけじゃないのに「演奏」というのが、なかなか分かりづらいところです)。
また、著作権法では、営利を目的としない演奏であれば許される(=無許可でできる)という定めもあるのですが、お店でBGMとして流すような場合は、「営利目的がある」と考えられています。お店の雰囲気作りやお客さんへのサービスのために利用しているからです。
したがって、店内でBGMとしてCDをかけたい場合には、著作権者の許可を得なければなりません。著作権者というと、CDに入っている曲の作詞家や作曲家のことです。
では、AKB48の曲を使いたければ秋元康にお願いしに行くしかないのでしょうか?彼はどこに行けば会えるのでしょうか?
実際は、音楽著作物の場合、たいていJASRAC(日本音楽著作権協会)に管理が委託されています。そのため、著作権者に直接連絡しなくても、JASRACを通じて手続をすることで、著作権の問題についてはクリアすることができます。
(詳細は、http://www.jasrac.or.jp/info/bgm/index.htmlをご覧ください。)
2012/9/27
弁護士 鈴木哲郎
(ホウネット中小企業メールマガジンより転載)
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