ハウスメーカーの破綻 富士ハウス
ハウスメーカーの破綻
住宅メーカー「富士ハウス」(浜松市)と関連2社が自己破産した問題で、2月13日、愛知県弁護士会が主催して、富士ハウス消費者(施主)を対象とした説明会が行われました。
説明会には、230組、約400人程の方が来場されました。予想を超える人数が集まり、会場は廊下まで椅子を並べるなど対応に追われました。
「家」という家族生活の中心となり、かつ一生に何度も係わらないような高額な契約にならざるをえない深刻な問題なだけに、夕方6時30分からという時間設定にも拘わらず、小さなお子さんを連れられるなど家族そろっていらした方が多かったです。
全体での説明会の後、弁護士による無料の個別相談会が行われました。
当日集まった弁護士は、何時までかかっても相談したい人がいる限り対応することにしていました。個別相談会が修了したのは午後9時頃、相談を受けられたのは137組だったそうです。
あまりに人も多さに相談を断念して帰った方もいらしたということです。
私も個別相談をお受けしましたが、「家を建てると言うことは大イベント。こんな形で家族の夢が壊されてしまうなんて。」「4月からは新しい家から、この子が保育園に通うはずだったのに。」「もう家は建ちませんね。ローンが残るだけですね。」などという施主の人たちの言葉が胸に刺さりました。
今回の個別説明会で私が担当した方には、明らかに不当な契約と思われるものはありませんでしたが、今まで支払った資金のうち、出来高分を控除した残額が財団債権となり、1割か2割程度しか返還されないことになり、みなさん一様に衝撃を受けていらっしゃいました。
ご相談は愛知県弁護士会名古屋法律相談センターへ
愛知県弁護士会での説明会の直後の2月15日、スポンサー企業との契約が成立し、16日付けで下記の通り、企業名の発表がありました。
記
会社名 :株式会社スピードパートナーズ
本店所在地 :東京都中央区日本橋2丁目12番6号 ムツミビルヂング5F
代表取締役社長:白石伸生
URL :http://www.speedpartners.com/
17日には名古屋で同社破産管財人(弁護士松田耕治)主催の説明会も行われました。今後も富士ハウス株式会社のホームページ上にて情報を掲載し、また平成21年2月25日ころまでを目途に、個別に連絡をする予定だということです。
新会社からは、今週中にも見積もりが提示されそうです。今後、施主側としては、新会社との契約をするかどうかの判断を迫られることになります。
新聞報道によると、昨年秋頃から破産申立直前までの間、かなり強引に契約締結や早期の入金を迫っていた事実があったといわれています。このような方々の心中を思うとやり切れません。
静岡県では、2月12日、同社と契約した施主を支援するため、「富士ハウス被害対策県弁護団」が結成されています。同社との契約が未履行の被害者は静岡県内に500人以上いるとみられ、弁護士約50人で破産管財人との交渉などを支援するほか、「同社役員の経営責任の追及や公的支援の可能性も模索する」(2月13日毎日新聞朝刊より)そうです。夢を託した施主さんたちが少しでも納得のいく解決がなされるようにと願うばかりです。
愛知県弁護士会でも弁護団を結成する方針ですが、当面は名古屋法律相談センター(052−252−0044)でご相談をお受けしています。