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ある日突然、立退きを迫られたら

2009年04月24日

ある日突然、立退きを迫られたら

Q 今私は、一軒家を借りて家族四人で暮らしているのですが、大家さんから、半年以内に出て行って欲しいと言われました。言われたとおりに出て行かなければならないのでしょうか。

A どんな理由で出ていって欲しいというのですか。

Q 何でも、家が古くなったので私が住んでいる家を取り壊して、土地の有効活用のために新しくアパートに建て替えることにしたというのです。

A それでしたら、立退を請求されたからといって直ちに出て行くことはありません。法律上、生活や事業の基盤としている借主の立場を保護するために、法律(借地借家法)に定める「正当の事由」がある場合でなければ、大家さんの一方的な意向だけで借家契約を解除して立退請求することはできません。

Q どんな場合に正当事由があるとされるのですか。

A 大家さんや借主に、どの程度建物使用の必要性があるのかが最も重要で、それ以外に、賃貸借契約に至る経緯などに加え、建物の明渡しと引き換えに財産上の給付(いわゆる立退料の支払など)をする旨の申出があればそれも考慮して、裁判所が「正当な事由」があるか否かを総合的に判断して決めることになります。

Q 大家さんにとっての必要性というのは土地の有効利用(アパート経営)というのも含まれるのでしょうか。

A 借主(居住者)の保護という法の目的からすれば、本来認められないと考えられるべきですが、実際の裁判例を見ると、敷地の有効利用を理由として主張されるケースもしばしば見られますし、それで正当事由が認められたケースもありますので油断はできません。

Q 立退料さえ払えば出て行かせることができると大家さんは言いますが、本当でしょうか

A たしかに、財産上の給付の申出もまた正当事由判断の一要素とされています。しかしこれは決して、立退料さえ払えば常に立ち退かせることができるというものではなく、その額によっては正当事由を補完するものとして考慮することができるに過ぎません。
大家さんの意見は極端だと思います。

Q 立退料はどのようにして決められるのでしょうか。

A 一般的な算定基準が定められているわけではないのですが、住居の場合には、一般に
1.借家権価格
2.移転実費
3.家賃差額
を考慮して定められると言われています。

1の借家権価格の算定方法にはいくつかありますが、建物及び敷地価格に一定割合を乗じた金額が一般的だと思います。
2の移転実費は、引越に要する運送費や新たな借家契約を締結するのに必要な費用が含まれます。
3の家賃差額というのは、同等の借家を借りた場合の新規家賃との差額の2〜5年分程度と言われています。

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