子どもを巡る法律問題〜(2)離婚後の親子の面会交流について
離婚後の親子の面会交流について
離婚をしたとき、夫婦はもとの他人に戻ることになります。夫婦に未成年の子どもがいる場合、離婚によって、子どもの親権者を父母のどちらかに定めなければなりません。通常、親権者となった親が子どもと同居をして、その監護をしていくことになります。ただ、親権者とならなかったといっても、親と子の関係までがなくなってしまうわけではありません。
そこで、離婚をする際、離婚後に、親権を持たなかった方の親と子が面会その他の交流をすることについて定めることができます(民法766条)。面会交流を定める方法としては、父母で協議をするか、家庭裁判所で調停または審判を行う方法があります。
子どもと交流を行うことは、親としての自然の権利と理解されています。同時に、子どもの観点から見ても、親と交流できることは人格の形成・成長にとって重要な意義があります。そのため、原則として、子どもと一緒に暮らしていない親(非監護親)と子どもとの面会交流は認めるべき、と考えられています。
もっとも、子どもの意思に反するなど、子どもの成育によくない影響を与える(子の福祉を害する)場合には、面会交流を制限されることもあります。なお、子どもの年齢が高い場合には、非監護親と交流するかどうかは基本的に子ども自身の意思にゆだねられます。
具体的に面会交流をどうやって行うかについては、親子が直接面会をするだけでなく、手紙や写真をやりとりする、子どもにプレゼントを送る、子どもの学校の通知票を送る、などの方法が考えられます。
長く別居していたなどの理由から、子どもと非監護親がいきなり2人だけで会うことに不安がある場合には、初めのうちは両親がそろって面会し、徐々に面会の頻度を増やしたり2人だけでの面会の機会を設けていく、ということもできます。
また、離婚調停中から家庭裁判所の面会室を利用して、試行的な面会を行うこともできます。監護親は、非監護親と子どもの交流の様子をマジックミラー越しに確認することができるので、これにより安心を得られれば、その後の面会交流に関するスムーズな話し合いにつながる可能性があります。
2012/7/31
弁護士 矢崎暁子
(ホウネットメールマガジンより転載)
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