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高齢者に広がる「ファンド型投資詐欺」にご注意を!

2011年11月01日

 高齢者を中心に、ファンド型投資詐欺が広がりを見せています。

 ファンドへの出資契約は、元本が保証されている預金とは異なり、出資金が全損となる可能性もある高リスクの契約です。しかし、被害事例のほとんどは、業者が「必ず儲かる」などと断定的な勧誘をしたケースです。このような事実に反する断定的判断の提供は、消費者契約法、金融商品販売法に違反しており、取消しや損害賠償請求をすることができます

 典型的なケースは、電話や手紙で、新薬・電気自動車・バイオ燃料、レアメタル、和牛輸出、海外上場企業やFXなどへの投資に勧誘され、断り切れないでいるうちに自宅を訪問され、「高い配当金がつくので、預金よりもお金を増やせる」「将来持分権利を高値で買い取る」などと言われ、契約させられるケースです。「金融庁の届出事業なので心配ない」という業者もいますが、届出は、プロ向けの投資商品についてより厳しい「登録」を不要とする規制緩和措置ですから、騙されてはいけません。

 全国消費生活情報ネットワークの統計(2009年4月〜2011年1月)によると、ファンド型投資商品の契約をしてしまった方からの相談件数は、60歳代以上が全体の約70%を占めています。購入形態としては、電話勧誘が38%、訪問販売が24%と、被害者が在宅していたケースが半数以上です。支払金額の平均は570万円であり、被害額が高額になるのもファンド型投資の特徴です。

 ファンド投資は、配当金が滞る、業者と連絡が取れなくなる、など問題が顕在化してからでは、手遅れということが往々にしてあります。このような場合、すでに業者が元金を失っていることが多いのです。逆に契約直後であれば、お金を取り戻せる可能性が高まります。契約に疑問がある場合、早めに専門家や消費生活センターに相談しましょう。

2011/10/14
弁護士 裵明玉
(ホウネットメールマガジンより転載)
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