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債権の回収(6) 保証人

2011年02月18日

 今回は保証人についてです。

 前回も少し触れましたが、強制執行での回収には、債務者に資産があることが重要になってきます。
そのため、契約等に際しては、債務者の資産調査がまずは重要なのです。
しかし、債務者の資力が必ずしも十分ではないこともあります。
そういった場合など、債務者以外の人の財産からの回収を可能にしておくために、保証人を立てることがよくあります。

 保証人を立てる場合には、債権者と保証人が保証契約を締結することになります。
普通は債務者が保証人を連れてきますが、保証契約は債権者との間で結ぶことになります。
そして、保証契約の締結は、現在の民法では書面によることとされています。
債務者との契約書と別々に取り交わすことまでは必要ないのですが、口頭だけでは保証契約は成立しないのです。

 ところで、保証人には、単なる保証人と連帯保証人とがあります。
何が違うかというと、単なる保証人には(ア)催告の抗弁権と(イ)検索の抗弁権があります。
難しい言葉ですが、(ア)催告の抗弁権とは、債権者が保証人に請求をしてきたときに、まずは債務者に催告するように請求できる権利です。
また(イ)検索の抗弁権は、債務者の財産への執行をするまでは払いませんと拒否することができる権利です。
いずれにしろ、まずは、債務者に対してやるべきことをやらないといけないのです。

 しかし、連帯保証人にはそのような抗弁権はなく、債務者への請求もなしに、いきなり連帯保証人に対して請求することもできるのです。
連帯保証人は、それくらい責任が重たいのです。
逆に債権者になる場合には、連帯保証人を立ててもらえるなら、債権回収という意味でも重要な担保となります。

 ただ、保証人から債権を回収しようとおもった場合には、実際には、任意に保証人が支払いをしてくれなければ、前回までにご説明したように、債務者に対してと同様、債務名義をとって強制執行をすることが必要になります。

2011/2/15
弁護士 加藤 悠史
(ホウネット中小企業メールマガジンより転載)

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