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高齢者の身元保証契約

2024年11月05日

 入院時の身元保証や死後の財産処分など「高齢者等終身サポート」を行う団体が近年急増しています。これまでは、家族が担い手となっていましたが、少子化が進行し、頼れる家族がいない高齢者が増える中、家族に代わって支援する団体が、生活支援や身元保証、死後に必要な手続き、死後事務を行います。国の調査によれば、事業者の数は全国に400以上あるそうです。

 このような、身元保証団体は、高齢社会の進展、身近に頼るべき親族のいないおひとりさまの増加とともに有用性が増してきました。反面、契約時に、費用が高い団体では100万円以上を要する場合もあります。
 そのため、「契約内容がよく分からず高額なので解約したい」「事業者に勧められるままにサービスを追加して思ったより高額な契約になった」「約束されたサービスが提供されないので事業者に解約を申し出たところ、説明のないまま精算された」といったトラブルが国民生活センターに報告されることもあります。

 そこで、政府は2024年6月に事業者向けガイドラインを策定しました。
 ガイドラインでは、契約締結にあたっての契約時に契約内容の適正な説明を行うこと、契約の履行に当たっての利用者への報告の重要性、預り金管理の適正等が定められるようになりました。
 こういったガイドラインにきちんと従っている事業者と契約をすることがトラブルにあわないために必要と言えます。

 また、身元保証契約を結ぶにあたっては、自分の希望をしっかりと伝え、サービス内容や料金等をよく確認すること、提供されているサービスについて調べること、契約内容を周囲の人にも理解してもらうようにすること、が大切です。
 身近に親族がおらず、死後の遺体の引取り、葬儀などを行う者がいない時には、こういった身元保証を利用しなければ施設に入所することが困難な場合も多くあり、高齢化社会において必要な存在として認知されるようになってきました。自分に合った身元保証団体をよく見極めてトラブルにならないようにしていく必要があります。

弁護士 白川秀之(名古屋北法律事務所)
(「年金者きた」へ寄稿した原稿を転機しています)

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