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インターネット上の書き込みにご注意を!!

2023年08月16日

 近年、インターネットの発達で、インターネット上で、色々な書き込みがされるようになりました。法律家がみれば名誉棄損になるような違法な書き込みも沢山あります。違法な書き込みでも、なかなか削除されないままに放置されていることも多いのは何故でしょうか

 そもそも、インターネットは匿名の世界での発信が可能なため、誰が書き込んだのか、一見すると分からないというのが一つの理由です。誰が書き込んだのか分からないから、対面では言えないような汚い言葉を書き込む人もいます。匿名の世界がゆえに、罪の意識も乏しいまま、犯罪にあたるような書き込みを気軽に行う人がいるため、違法な書き込み自体が多くなってしまいます。

 匿名の書き込みとはいえ、インターネット上には、書き込みをした人の特定をする仕組みはあります。そうした情報を開示する手続きとして、発信者情報開示請求という裁判所の手続きも用意されていますので、書き込んだ人を特定する方法はあります。しかし、発信者情報開示請求の手続き自体は、弁護士に頼まないと難しい手続きになっていて、時間的な猶予もあまりないため、手続き自体が難しくなっています

 更に、書き込んだ人を特定できたとし、違法行為をした当事者に名誉棄損の慰謝料を請求したとしても、日本の慰謝料額の水準は大きくなく、少額の慰謝料しか認められないことも多いです。弁護士に頼むと、慰謝料よりも多くの費用がかかることもあります。そのため、費用と労力をかけるのを躊躇して、泣き寝入りするケースが多いため、違法な書き込みも放置されがちになってしまいます。

 但し、違法な書き込みであれば、書き込める場所を提供しているサイトやアプリの運営者にも一定の責任はあります。違法な書き込みがあったと知っていながらこれを放置すると運営者としての責任が問われることもあるのです。誰が書いたか特定するのは難しいですが、違法な書き込みがあった場合には、まずは、サイトやアプリの運営者に書き込みの削除を求めることをお勧めします。

弁護士 加藤悠史(名古屋北法律事務所)
(「新婦人北支部・機関誌」へ寄稿した原稿を転機しています)

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