隣地から越境した枝を切除できるか?
2023年07月13日
「隣の敷地から越境して伸びてきた枝を自ら切除できるか。根っこはどうか。」――これは受ける法律クイズの鉄板の一つでした。
2年程前、郊外の某市に在住の方から「隣接地の竹の枝が塀を越境し、根が塀の下から伸びて来て困る」という相談がありました。竹の成長力はとても強く、塀を持ち上げてしまうこともありますね。当時は「根は自ら切除できるが、枝は自ら切除できず、隣地所有者に切除を求めるしかない」とお答えしましたが、実は令和3年の民法改正(令和5年4月1日施行)でこの点が変わりました。土地所有者は、越境して伸びてきた枝の切除を隣人に請求することができ、隣人が相当期間内に切除しない時は自ら切除できることになりました。
弁護士 長谷川一裕(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)