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同性婚を認めないのは「違憲」名古屋地裁判決

2023年06月16日

 このコラム(「名古屋北部民商ニュース」)で山内益恵弁護士が、同性婚を認めない現行制度を違憲とした札幌地裁判決を紹介したのは、2021年の春でした。同種の裁判は札幌を含め全国5カ所で争われており、私がこのコラムを書いている2023年5月末、名古屋地方裁判所での同種の訴訟で、憲法14条(法の下の平等)と憲法24条(婚姻の自由)に違反するとの違憲判決が出ました。この間、2022年6月の大阪地裁判決は合憲、同年11月の東京地裁判決は違憲状態と判断しています。

 この裁判で原告の同性カップルは、同性婚カップルの結婚を認めないのは差別であると主張していました。差別というのは、愛し合う二人が結婚できない、というだけの話ではありません。現行制度では相続や税の配偶者控除は法律婚の異性カップルだけが対象です。パートナーが病気や怪我をしたとき、同性カップルは医療行為の判断や同意ができません。現行制度で異性カップルが無意識に享受している権利や利益を同性カップルは得られないのです。このような実態に無関心でいることは差別に加担しているのと同じです。

 よく言われることですが、G7参加国のうち同性婚制度がないのは日本だけです。その中で、LGBT理解増進法案なる法案が国会に提出されています。差別禁止法ではないことや、保守派に配慮して法案の文言が変更されたこともあり、批判を浴びています。世論調査では国民の6~7割が同性婚に賛成しています。理解増進すべきは国会ではないのか?と思うのは私だけでしょうか。

弁護士 中島万里(名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転機しています)

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