ホウネット通信

最低賃金を見てみましょう

2006年10月06日

愛知県の最低賃金が改定されて、10月1日から694円になりました。使用者はこれ以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。ところが「あんたはアルバイトだから」とケチリ、「外人だから」と差別したり、「約束の時間に5分遅れたから」と、難クセつけて半額しか払わなかったり、まだまだ無法なことが まかり通っています。

最低賃金は、県下のすべての労働者に適用されます。臨時、パート、アルバイトなど就労形態に関係ありません。この額は通常の労働時間、労働日の賃金です。 ある大学の学生アルバイト調査によると、深夜の割増賃金をもらっていた学生は一人もいませんでした。休日労働の手当をもらっていた人もありません。時間給800円ならば、25%増、35%増がついて1000円以上になります。
募集広告も平日800円、休祭日・深夜勤務900円、だとか少し額を上げてごまかしているところが多いようです。
愛知の最低賃金は昨年688円、一昨年683円ですから雀の涙ほどはアップしています。

では、諸外国ではどうなっているのでしょうか。日本のように東京は719円、沖縄は610円などと差をつけずに、全国一律最低賃金制をとっています。時間額だけでなく、週額、月額を表示して生計費が見えるようにしています。
労働法をズタズタにしている、悪名高き厚生労働省の資料によっても、日本は月額11万円台ですが、フランス、ベルギー、イギリス、オランダなどは17万円台です。
これには理由があります。ヨーロッパ諸国は格差と貧困をなくするために、最低賃金を大幅に引き上げています。1999年から2005年の過去6年間の引き上げ率は、低い国で13%高い国で44%になります。日本はわずか2%です。小泉内閣の5年間を考えれば「格差があってどこが悪い」と言ってきたのですか ら、政治と国民生活の関わりがよくわかります。

もう少し詳しく、イギリスの状況(失業率4.8%)を見てみます。
ブッシュの戦争に無条件で出て行ったブレア政権です。さぞ国民は痛めつけられていると思うと、最低賃金では違っています。
05年10月から22才以上の最低賃金が5.05ポンド(約1030円)になりました。対象となる労働者は140万人にのぼります。18才から21才の最低賃金は4.25ポンド(約870円)になりました。1999年4月に22才以上3.6ポンド(約730円)から出発した最低賃金は、6年間で40%引き 上げられたことになります。

ところがイギリスの低賃金委員会(労公使で構成)は06年10月までに、22才以上5.35ポンド(約1090円)に引き上げるように勧告しているのです。労働党の最低賃金目標設定値は男性中央値の50%においています。日本は平均賃金の3割程度です。日本は最低賃金でも世界の特異な後進国になっていま す。

諸外国に学んで、一歩一歩労働条件の向上をめざしましょう。

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