社会の変革をすすめるために法の力を使う国・スウエーデン
2008年06月02日
社会の変革をすすめるために法の力を使う国・スウエーデン
私の母は85歳の時、脳梗塞で倒れ、91歳で亡くなった。倒れてしばらくして特養施設の入所を申し込んだが、一度も施設から返事はなかった。希望者が一杯で順番が回ってこないうちに亡くなった。それまでは個人的に病院と介護施設を行き来する対応をしなければならなかった。
スウェーデンでは脳梗塞になって市の援助を申し込んで1ヶ月ぐらいの間に市が対応策を取らなかったら、市が罰則を受けると聞いた。日本では行政の責任が法律で明記され、実行されている例はほとんどないのではないだろうか。
男性の育児休業についても、日本の男性の取得率は0.5%という。女性は70・6%まで増えているが、男性はまだまだである。スウェーデンでは、男性が 育児休業を取得しないと罰則があるという。取得しないと罰するという方法を使って、男性の育児参加を促進している。このような社会をつくった背景には国政 選挙では80%を越える投票率という国民の高い政治的関心がある。国民のためにならぬ政策を掲げる政党はいつでも政権から追われるという力学が働いている ようだ。
健康センター 宮崎脩一