龍の口
2009年12月25日
龍の口 世話人エッセイ
私はドラゴンズの大ファンです。ドラゴンズの話を…と書きたいところですが、今回はドラゴン=龍にまつわる水の話です。
龍は、日本や中国では水の守護神とされています。神社や寺院の手洗い場の水が龍の口から出ているのをよく見かけますね。日本で最初に水道が開設されたの は明治20年の横浜で、共用栓の口にはライオンが取り付けられていました。これは当時の共用栓はほとんどがイギリスからの輸入品で、ヨーロッパの水の守護 神がライオンであるためでした。それが国産化されていくと日本の水の守護神である龍になっていきました。ではなぜ水の出口を「蛇口」と呼ぶのでしょうか。 これは、架空の動物の龍の元になった生き物が蛇であるため、龍の口が「蛇口」になったようです。中国では水竜頭(シュイロントウ)といいます。日本では竜 頭(リュウズ)と言えば腕時計のツマミをいいますね。蛇口のもう一つの呼び方に「カラン」がありますが、オランダ語の「クラーン」からきていて鶴の意味で す。同じ水の出口もライオン、龍、蛇、鶴、と違うものですが、大切な水にいろいろ思いを込めていたということですね。
ホウネット世話人 仲野丘人