法律講座「パワハラ、セクハラへの対処法」を開催しました(10/17)
10月17日、栄の名古屋市教育館にて「あなたを守る労働法-セクハラ、パワハラへの対処法」を行いました。講師は裵明玉弁護士。
あいにくの雨にも関わらず労働組合関係者をはじめ、多くの方にご参加いただきました。
講義では、セクハラ、パワハラについての定義の説明の後、実際にどのような場合がそれらにあたるか、それぞれについて判例を挙げて具体的に説明がなされました。またセクハラ、パワハラを防止するため、あるいは実際に行われてしまった場合に会社は本来どのような措置を取らなくてはいけないか、また違法なパワハラ、セクハラが行われた場合、実際にそれらを行った加害者本人だけでなく会社も責任が問われる場合がある等の説明がされました。
そしてセクハラ、パワハラへの具体的な対処法として、まず記録化(証拠の確保)と加害者・上司への公表と申し入れ(関係がいっそう悪化する恐れもあるので判断は慎重に)を挙げていました。さらに会社内で問題が解決されない場合、ADRや均等法上の制度の利用、労働審判などの民事裁判手続の活用などの説明もなされました。
特に印象に残ったのは、セクハラの裁判で、たとえ加害者が「被害者の同意の上での行為だった」との反論を行ったとしても、会社における加害者と被害者との関係性やその場の状況等を考慮して違法とされる場合があるということ、しかし、それとは逆にセクハラ被害者の主張が認められず、せっかく勇気を出して訴えたのに否定されてしまうという二重の被害にあうケースもあって、セクハラの被害を訴えるのはハードルが高く、それゆえ裁判所には慎重に判断をしてもらいたいと強く思いました。
講義の後の質問時間では、実際に被害を受けた人や相談活動に携わる人の質問が多く、切実さが伝わってきました。質問と回答の一例としては、頻繁に威圧的に怒鳴る上司への対処法として、レコーダーで怒鳴っている際の証拠を録るなどして、上部に報告、会社は配転命令を出すなど本来対応をしなくてはいけないが、何もしてもらえないのなら、先に挙げた外部機関に相談するなどです。
パワハラ、セクハラは会社で働くなど社会で活動する上で誰が被害者になってもおかしくない問題であり、今回の講座はその対処法を学ぶ良い機会になったのではないでしょうか。11月も引き続き労働問題をテーマに「解雇、退職強要とのたたかい方」を行う予定(11/15、「ウインクあいち」にて)ですので、興味のある方は是非ご参加ください。
2012/10/25
事務局S
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