夏の青春18キップ「琵琶湖半周の旅」 名古屋北法律事務所・参与 立 木 勝 義
2010年8月18日
夏の青春18キップの利用期間は7月20日から9月10日までの53日間です。
春のキップで中部地方のJR線をほぼ制覇できましたので、私の次の目標は北関東方面です。青春キップの有効活用として、とりあえず関西地方で日帰り可能な「湖西線」(近江塩津〜山科74.1キロ)で、琵琶湖の西側を半周する旅に出ることにしました。
2010年7月31日(土)朝7時58分、東海道本線名古屋駅から北陸本線に足を伸ばしました。かって私が機関士として運転して走り慣れた東海道線の風景も移り変わり、ぼんやりと車窓を眺めながら米原を経由して北陸本線(米原〜直江津353.8キロ)の長浜駅で下車しました。
長浜駅へ入線するとき車窓左側にしゃれた建物が目に飛び込んできました。気になったので30分程度の乗り換え時間を利用して足を向けました。その建物は長浜鉄道スクエアで、「現存する日本最古の駅舎」である旧長浜駅舎や施設の中には静態保存された多くの機関車が展示されているとのことでしたが、見学するだけの時間はなく残念でした。
駅舎の中の観光案内に立ち寄りパンフ長浜市街地中心部マップを見ながら、中小企業家同友会の勉強会で、地域のまちづくりとして「黒壁のまちづくり」は、『駅西側の発展で、東側が見捨てられたために中途半端で課題が残った』というある大学の研究者の話を思い出した。たしかに西側に偏りすぎていて、この鉄道スクエアなどが置き去りとなり長浜港が近くにあるというイメージが沸いてこなかったのは「黒壁まちづくり」の問題点だったのかなと感じました。
スクエアの向かい側にある名勝庭園「慶雲館」をのぞき込んでから長浜駅をあとにしました。
高架を走り抜ける「湖西線」
近江塩津駅から湖西線に乗り換えます。いつも思うのですがローカル色がはっきり出るのは時刻表です。湖西線の各駅のホームにある時刻表を見ているとこの区間は1時間に2本程度の本数しか電車が運行されていないようでした。近江塩津を11時40分に出発した快速電車は高架を走り、踏切もなく順調に「近江今津駅」に到着。この駅で電車が増結されて8両編成となって京都へ向かいます。途中の「小松駅」からの琵琶湖の眺めは心地よいものです。水泳場がすぐ近くまで寄ってきて、モーターボートのしぶきが電車まで届きそうと錯覚するくらいです。特に「近江舞子駅」から「堅田駅」までは180度の視界のなかに湖水がはるかな広がりで飛び込んできます。
この「堅田」から乗降客が一気に増えてきて、車内はほぼ満席になりました。
ゆっくりと歩きたくなる「山科」
山科駅に12時53分に到着。乗り換時間の約1時間を利用して山科の駅周辺を散策することにしました。
この日は気温が35度前後もありそうで、駅ビルのそば屋で簡単な昼食をすませたあと駅の観光パンフレツトを頼りに近くの「山科疎水の道」をゆっくりと歩くことにしました。
この疎水は明治時代に京都の近代化の一環として琵琶湖から水を引くためにつくられた琵琶湖疎水といい、季節には桜や紅葉などが美しく彩り、散策路として人気があるそうです。疎水路の道案内に「国鉄 京坂 山科駅」の古い看板があり、懐かしくなって写真に納めました。
山科駅から草津線(柘植〜草津間 36.7キロ)の制覇のために東海道線(琵琶湖線)草津駅まで乗車。その後草津駅14時27分発の柘植行きの電車に乗りました。
関西線の接続駅となる柘植駅までの草津線は昭和5年ころに「参宮快速」として姫路方面からのお伊勢参りの参拝客輸送を走らせるなどその歴史は古く、昭和47年からは無煙化を達成し、全線直流電化となって京都への通勤客にも便利な路線となっているようです。沿線には甲賀売薬で有名な里にふさわしく製薬会社の研究開発施設の看板が目にとまります。 途中、信楽高原鐵道の乗り継ぎ駅の「貴生川駅」を停車して、柘植までの約40分間のローカル線でした。柘植駅からは春のキップで制覇すみで、本日のローカル線の旅は終わりました。
青春キップの「ボーダーライン」とは
ところで、ある駅から片道・往復の運賃がそれぞれ「2300円以上」(青春18キップの一日あたりの料金は2300円である)となる駅を青春キップの「ボーダーライン」と呼ぶ方がいます。私の主要駅である名古屋を起点とした「ボーダーライン」は、片道では東海道線の「山科」、北陸本線だと「南今庄」となり、今回の旅ではいずれも「ボーダーライン」をクリアーしていることになります。ちなみに往復だと、名古屋からは東海道本線の西は「醒ヶ井」と東は「豊橋」がボーダーラインとなるので、参考にしてください。
私の目標 5年で、全国90路線、全国制覇を
今日の到達点 湖西線、草津線の2路線 【私鉄・一畑電車】
前回まで19路線+2路線 JR線/計21路線 【第3セクター線/1路線】
※訂正 北陸本線(直江津〜富山、米原〜近江塩津)は1路線。
残路線 69路線