野宿者の越冬支援活動に参加して1
2010年1月24日
まともな仕事と社会保障を
(レポート1)
年が明けた1月1日、名古屋駅近くの西柳公園で行われている野宿者の越冬支援活動に参加してきました。私は初めて参加したのですが、毎年年末年始に同公園で開かれているそうです。
失業率が過去最悪となっています。私の周りにも、解雇されて次の就職先がなかなか見つからないという人が多くいます。景気が低迷する中、大企業の雇用責任放棄のやり方が続いており、多くの労働者が職を失ったままでいます。
西柳公園は、トヨタ自動車の本社ビル(ミッドランドスクエア)のすぐ近くにあり、格差と貧困、社会の矛盾の大きさを実感する思いです。
今回の支援活動は、12月28日から1月4日まで行われました。私が訪れたのは1日の午前11時ごろ。公園内には外周に沿うようにテントが立てられていました。
公園に入っていくと受付用のテントがあり、わずかですがカンパを差し出し、ノートに名前を書きました。その近くに見知った顔が。12月4日に中村区役所前に行ったときに出会った、「おにぎりの会」で活動する方です。彼も私の顔を覚えていてくれました。
そう広くない公園には、たくさんの方が詰めかけていました。私が行ったときは200人くらいの方がいたでしょうか。支援活動期間中のプログラムには色々な催しがあり、ライブなどもやっていたようでした。
私は、もちつき大会に参加。ウスの近くに知り合いがいたので話しかけると、モチをついてくれと言われました(写真中央はモチをつく私)。運動不足の体にこたえます。すぐに汗が噴き出してきましたが、久々のモチつきは楽しい。
ウスの周りには体格の良い男たちが数人集まっていました。キネを力強く振り、バン、バン、と小気味いい音が響きます。モチのかえしをやる人も、かけ声の威勢がよく、手さばきが器用です。前職が大工や板前だった人が多いと聞きました。ついたモチを小さく分けてこねる作業も、みんな手慣れています。私は、彼らと一緒になって工場などで働くところを想像しました。きっと良く働くんだろうな、動きが悪かったら彼らから叱られたりするんだろうな・・・などと考え、彼らが職に就けていないことをやるせなく思いました。
モチをこねているテーブルで交わされていた会話では、「オレは仕事のケガで手が自由に動かなくて」「オレもそうだ。障害者手帳を持ってる」といったやりとりも聞こえました。仕事中のケガで体の自由が利かなくなった人たちが、十分な補償を受けられず、それがこの場所につながっているのかな・・・とも思いました。
もちつき大会の間、公園の反対側ではカラオケ大会が開かれていました。路上生活をしている方々にとっては、つかの間の楽しみなのかもしれません。「人間らしい生活」という言葉はよく聞きますが、それには、まともな仕事や、きちんとした社会保障が必要なのだということを実感した活動でした。
2010年1月
事務局 K