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事務所だより

自由法曹団5月集会に参加して

2010年5月25日

 2010年5月23日、24日と2日間にわたって、青森県三沢で行われた自由法曹団5月集会に参加しました。5月集会は、その名のとおり、毎年5月に開催され、その時々の人権課題や憲法課題や民主主義に関する課題について研究討論する集会です。

 今年は、鳩山政権下で普天間基地問題が政治的な焦点となっている中、同じく基地がある町、青森県三沢市で行われました。駅をおり、会場に向かって歩くと、すぐに基地が目の前に見えてきます。沖縄から参加した団員(・・・「自由法曹団メンバー」の意)からは、沖縄と同じにおいがしたとの発言がありました。町も、どことなくアメリカンな雰囲気を醸し出しており、聞くと4万の人口と1万の基地関係者の町で、基地が経済を支えているという意識も大変強いとのこと。小さな町に大きな矛盾が詰まっているとの発言が印象的でした。

 基調報告では、時代は大きく移り変わっている、国民の苦難の根源がより明らかになる時代になっている、ということが強調されました。基地問題でいえば、なぜ鳩山政権がぶれない軸を持てないでいるのか、現在の情勢下では、それが日米安保条約に根源があることが明らかになっています。貧困や格差の原因も、正規から非正規雇用への代替を進めてきた企業政策が根源にあることに多くの人が気付き始めています。そのような中で、各地での取り組みなどが積極的に議論されました。

 私は、労働問題分科会に参加。労働分科会でも、各地の非正規雇用裁判、あるいは正規雇用裁判などの経験が活発に討議されました。とりわけ、現在、労働者派遣法「抜本改正」への取り組みが非常に重要だと感じました。焦点となっている製造業派遣や登録型派遣について大きな抜け穴があり、みなし雇用制度も十分な実効性をもった法案となっていない。このような政府「改正」案ではなく、抜本改正を求めなければ派遣労働者は救われない。私自身も、多くの派遣労働事件に取り組んでいますが、労働者派遣法抜本改正と非正規労働者の裁判闘争を車の両輪としてたたかうことが重要であるとの認識を改めて深めました。

 肌寒さの残る青森でしたが、議論は熱気にあふれ、大きく変わりつつある時代のなかで、国民の苦難の根源を明らかにし、変革していくために頑張ろうと改めて決意を深めてきました。

2010年5月25日
 弁護士 加藤悠史

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