私のゴールデンウィーク
2012年5月14日
杉花粉の飛散のピークは過ぎましたが、私は稲科の植物に対するアレルギーもあるので、目と鼻がムズムズする季節は当分続く。
家族連れで行楽地に出かけるゴールデンウィークを卒業したので、半分は仕事の連休となったが、新緑と春と美しさを体感してリフレッシュした。
29日は、定番の散策コース、犬山市の善師野から可児市鳩吹山の東海自然歩道を歩く。
善師野駅から民家を通り抜けて自然歩道に取り付き、大洞池。釣り人が釣り糸を垂れている。民家の花壇も賑やかになってきたが、竹の活き活きとした青さも眩しい。今回は、自然歩道ではなく北回りコースで鳩吹をめざすことにした。照りつける日差しは初夏を思わせ、半袖で十分である。運動不足が影響しているようだ。石原登山口からの上りが意外ときつい。アップダウンを繰り返して山頂に着くと大勢のグループ、家族が昼食を取っている。目の前で山頂からの景色をカメラに収めている小さな女の子のしなやかに伸びた手足、きらきらした瞳、小さな可愛い唇に見とれながら、おにぎりを食べる。大脇登山口へのくだり、まだ芽吹いて間がない柔らかい黄緑色の樹木の間を気持ちよく歩く。
30日からは、福島県へ出張した。知人から依頼された案件で、東京電力福島第1原子力発電所の原発事故で風評被害を受けた農家の損害賠償請求の聞き取りと現場調査が目的である。一日目は、那須塩原駅から車で1時間程走り奥塩原温泉で聞き取り調査。車から降りると、強い硫黄の臭い。宿のすぐ隣の山肌から濛々と白い煙が立ち上っている。白濁した温泉につかると疲れも飛ぶというものだ。
翌日は、車で2時間ほど走り、途中、鬼怒川、日光方面との分岐を通過して只見町へ。福島県の県境に近く、栃木や新潟に近い所だ。こんなところまで原発事故の被害が及んでいるのかと痛感する。農家の被害の実情を聞き、被害の実態等を確認した後、農場を撮影する。
それにしても5月初旬の東北はこんなにも美しいのか。山々の頂上付近は白い雪。護岸工事が行われていない堤防沿いの桜も美しいが、木々の芽が出始め薄い透明に近いような黄緑色のベールを纏ったような新緑の山肌に咲く山桜の見事さ。桜だけではなく、コブシの白い花、レンギョウの鮮やかな黄色。集落には鯉のぼりが泳いでいる。堤防沿いの地面を見ると、フキノトウが沢山芽を出している。1000メートル近い標高のせいか空気は名古屋に比べるとひんやりとしている。短い時間だったが、澄み切った少し冷たい空気の中で早春と桜と新緑とが一緒に押し寄せる福島の春を満喫して帰路についた。
連休後半の3日は泊まりに来た次女と三人で可児市の花フェスタ記念公園を散策。バラが呼び物の公園なのでバラが咲かない季節は賑やかさに欠けているが、それでも随所で新緑を楽しむことが出来る。ベニバナマンサク、帰りは、花卉センターで春の鉢植えを買い込んだ。自宅の玄関が北向きなので、買うのはいつもベゴニア等、日当たりが必ずしも十分ではない場所でも長く咲いてくれる品種が多いが、ケイトウのかわいらしさ、アジサイの瑞々しさに惹かれ、買い物籠に入れた。
二人の子が結婚や進学で家を出て何となく寂しい気持ちだったが、新緑の美しさに癒されて、また頑張ろうと思った。