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事務所だより

御礼 〜名古屋北法律事務所設立10周年記念行事を終えて

2011年6月8日

名古屋北法律事務所設立10周年記念行事 ご報告と御礼

5月29日に名古屋北法律事務所設立10周年記念行事「つながる未来へ」を開催しました。
時ならぬ初夏の台風の接近の中、朝から土砂降りとなりましたが、鎌田實講演会「がんばらない あきらめない ―人間らしく生きる処方箋」には、第1会場、第2会場を合わせて約700名が参加されました。参加された83歳の方にお伺いしたところ、市役所駅から会場まで歩く間にズボンはずぶ濡れ、靴の中も水浸しという状態で講演を聞かれたそうです。

鎌田實さんの講演は、地域医療、東北大震災、チェルノブイリ、パレスチナ等、鎌田さんが駈け歩いてきた世界各地の様々なエピソードを紹介しつつ、人間が人間らしく生きる上で人と人のつながりが如何に大切であるかを、準備された写真をスライド上映しながら、聴衆に静かに語りかけられました。

――東日本大震災で息子を亡くし悲嘆のどん底に突き落とされながら、鎌田さんが心の叫びを聞き寄り添う中で、「もっと悲惨な被災者がいる」と被災者支援に立ち上がった東北のお母さん――
――12歳の男の子をイスラエル兵に頭を打ち抜かれ脳死状態となったにも関わらず、医師の勧めに従ってイスラエル人の女の子のために心臓移植手術に同意したパレスチナのお父さん。歩くこともできなかったけれど移植で元気になり、将来は医者になって「パレスチナの子の命を救いたい」と勉強しているその女の子――

人間は、自らが苦しみの中に置かれても、あるいは「にもかかわらず」、他者のために行動できるのだ。人の痛みをわかりあえる想像力と共感という人間のチカラのすばらしさ。そして、人々が「人生の1%でもいいから人の為に動く」という気持ちを抱き、それが結び合わされ、繋がったとき、そこに希望ある未来への展望が広がる。そして、つながる人々の営みの中に身を置いてこそ、人間として生きる喜びを実感できるのではないか。私は、このように鎌田さんのメッセージを受け止めました。

豪雨の中、諏訪から駆けつけていただき、素晴らしい講演をしていただいた鎌田實さんにこの紙面をお借りして心から御礼を申し上げます。

講演後、午後5時から行われた「つながる夕べ」では、北医療生活協同組合の柘植俊介理事長、社会福祉法人名北福祉会の小川春水理事長をはじめ多数の来賓にご参加いただきました。集いでは、私が事務所開設からの10年間にわたるご支援とご協力への御礼を申し上げました。事務所10年の歩みを紹介したスライド上映、つながりマップと「くらし支える相談センター」立ち上げの報告等も行わせていただきました。アトラクションの風船太郎さんのコーナーでは、当事務所の鈴木哲郎弁護士が風船の中に入り、割れると同時に見事なポーズで万雷の拍手に応えました。手前味噌ですが、地域の方々と事務所のあたたかいかい絆を確認できた素晴らしい集いであったと思います。

記念行事の準備のため、また「つながるマップ」作成のために、ホウネットの松岡会長、金子事務局長をはじめとするホウネット関係者の方々には大変ご尽力をいただきました。当日は、50名を超える方々が会場設営、受付、場内整理などのスタッフとして記念行事を支えていただきました。この場をお借りして、裏方の仕事をお手伝いいただいた方々にも厚く御礼申し上げます。

10年というのはごく短い期間です。これまで支えていただいたみなさまに感謝し、記念行事の成功を喜びながら、今後も地域社会とともに発展していけるよう努力する所存です。

2011年6月8日
弁護士法人名古屋北法律事務所
弁護士 長 谷 川 一裕

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