中国・青蔵列車の旅 〜旅のレポート その2
2007年9月10日
西寧〜チャカ〜ゴルムド・・・そして青蔵列車へ!
2007.9.10 立 木 勝 義
8月23日 天候・曇りときどき雨
朝の散歩、西寧市内の中央広場付近には太極拳を楽しむ人々と公園の歩道を補修する工事に携わっている人も。工事は手作業で掘り起こすなど近くの近代的ビルとのアンバランスが気に掛かりました。9時出発。途中給油所へ立ち寄る。
中国のガソリン価格は、「柴油(←軽油)・1リットル4・6元、0#」(日本円で69円から75円程度)と表示されており、消費税は工場から出荷の際に支払い、個人は負担しない。
標高3520メートル、日月山(にちげつざん)に到着
西寧市内から86キロメートルのところに位置し、昔、皇帝の娘が遠くチベット王朝に嫁いだ際に「二度と帰れない」と涙した山、悠久の歴史を有した名山と して名高い。観光客相手の物売りが多くいて、ヤギと一緒に撮影すると3元、勝手にかぶせられた帽子とチベット布の代金は別に5元を支払えと請求され、あわ てて帽子を投げる観光客。ヤギと羊の違いも分からず写真を撮り続ける観光客相手には簡単な商売である。
この日月山を境に西寧側が農耕地帯、その反対側のチベット側は遊牧地帯となるとの説明をされても、これから遙かに続く遊牧地帯を想像もしなかった。
青海湖
水深は最も深いところで30メートル、平均は18メートルで13本の川から水が流れ込み出来上がっている中国最大の内陸塩水湖。周囲360キロの広さで 名古屋から東京までの距離だ。日本一の琵琶湖の3倍という湖を遊覧して楽しむ。遊覧船のりばに向かう途中の、青海湖をバックとした菜の花畑は満開の峠を過 ぎていたが、すばらしい景観だ。しかし、この湖も地球温暖化の影響で毎年10?ほど水深が減小しているとのこと。青海湖には入場料100元が必要です。青 海湖を横目にしながら車は一路、今夜の宿泊地・チャカへ。
遊牧地帯を走り続け、標高は3800メートル。山々には羊やヤギの群をあちこちに見ることが出来る。牧畜民の財産は動物で、例えば羊300頭で600元/ 頭だと20万元の財産は裕福な部類に入る。農民の平均財産は10万元程度とのことだ。午後6時50分にチャカ塩湖という会社の中のホテルに。宿泊代の表示 を見ると一つ星ホテルのマークで一泊220元とある。たったの3000円程度の設備に期待する方が無理があった。入ってみるとシャワーは全部の穴からは出 ず、一部から生ぬるい湯がちょろちょろと出る程度、トイレは注意が必要(紙を流すと詰まる)、寝付くとともに高緯度のためノドが乾いて目を覚ます。大変な 夜でした。
24日 近くの塩湖を見学。深さ15メートルまで塩だらけという。1950年に設立された会社の従業員は現在400人。塩を毎年40万トン以上を生産し続けても、これから2000年間は大丈夫という。
ツァイダム盆地の広さは、日本の7割を占める
コンロン山脈(長さ2500キロ、幅400キロ)を左側に見て、ツァイダム盆地を延々と続く109号国道(北京から2500キロメートルの距離にある) を走り続けるバス。ゴビ砂漠の、どこまでも同じように続く景色を必死にとり続ける参加者。中国は国土の6分の1がゴビ砂漠という。その広さは、ひどいとこ ろでは毎年500メートルほど広がって、北京の60キロ地点まで迫っているという。ゴビ砂漠は「人煙も無し」といわれるように人も煙も何もない地域だ。地 球温暖化の影響はゴビ砂漠にも現れているのです。
チベット民族がひとり増えた?
このゴビ砂漠の中間地点に一ヶ所だけトイレの建物が設置されていて、全員がそこで下車した。皆が用を足した後にバスが発車。すると一人の青年が必死にバ スの後ろから走っているではないか(私は見ていないが)。「あれ、熊谷君だ!」・・・そうなんです。一人だけ置き忘れてバスは発車してしまったのです。あ のままゴビ砂漠に熊谷君は放置されていたら、今頃はチベット民族にかわいがられていたかもしれません。ただし、ゴビ砂漠の中には誰も住んではいなかったよ うだったが。
109号線では「蜃気楼現象」や竜巻にも遭遇し、午後6時30分にゴルムドに入った。
ゴルムドの人口は25万人 いよいよ青蔵列車に
ゴルムドは青海省の2番目に大きい町で近代的な都市が砂漠のなかに造られている。道路は中央分離帯もあり、片側2車線の整備された路になつている。
25日朝6時のゴルムド駅。夜明け前の薄暗い駅周辺にはタクシーやバスが、広場の左角には中国郵便局の4階建のビル。右角は暗くて判別ができない。そのと きだった。「パスポートがない!」とひとりの参加者の声。皆どうなることかと心配したが、急いでホテルに引き返し事なきを得た。参加者一同ホッとして全員 無事に青蔵列車に乗ることができました。
K917 ランシュウ発ラサ行き ゴルムド午前7時33分発 13号車に乗り込む。ゴルムドからラサまでの距離1142?、所要時間約15時間。料金は日本式でいうと普通座席指定(硬座という)が143元、寝台3段 式が上・中・下(377元)とあって、もう一段上級の寝台2段式の上・下(583元)である。日本円で2000円から9000円の格差がある。我々は寝台 3段式に乗車した。
青蔵列車K917号は定刻に発車した。外は小雨模様。外の気温は摂氏8度、標高は3424メートルと表示されている。遠くに雪をいただいた山々が続き、列車は速度97?でと安定した速度を維持して走っている。
さあ、いよいよ5000メートル、世界最高峰の体験だ。このつづきは後日。