中国・青蔵列車の旅 〜旅のレポート その1
2007年8月31日
青海省の省都<西寧>へ
2007.8.31 立 木 勝 義
8月21日から29日までの9日間、中国・チベット鉄道の旅に同僚の熊谷君と2人で参加してきました。帰国直後でまだ酸素が不足しているのか、頭がはっきりしませんが、旅のレポートと写真を紹介します。
21日、まず上海に到着し、そこから中国国内線に乗り換え、午後1時50分ころ西安に到着。随行してくれた中国の方によれば、この西安はアフガニスタン やタジキスタンなど中央アジアへの出国拠点で、イスラム教の人々の出入りが多いそうだ。手荷物や身に着けている物の検査に時間がかかったが、中国国内の空 港では一番厳しいとか。西安からさらに国内線に乗り換えて青海省の省都・西寧に午後5時30分に到着した(西寧の標高は2275メートル)。
西寧空港は盆地のなかの空港で周囲は何もないところだった。ここから今夜の宿がある市内まで約28キロ。現地ガイドの方が専用バスにのりこみ、青海省の 説明をしてくれた。ガイドさんの名は「李」さん。中国の性別の中で「李」という名の人が13億人のうち8%で約1億人、その次が「張」「王」とつづく。 「李」の名の歴史は、1300年前の皇帝が「李」であったところから始まっているそうだ。
西寧は海抜2000メートルが標準で、低い所で1600メートルという高さで、バスからの風景は、土嚢を積んだ土色の家が点在していたりして「今夜はど んな所に泊まるのか」と少し不安がよぎった。バスに乗って30分もすると青蔵列車の「西寧駅」を横目に見て市の中央広場付近の5つ星ホテルで西寧市内で最 高級のホテルに到着。このホテルは去年チベットへの鉄道が開通した時に併せて建てられたとのことだ。いまも西寧市内は建設ラッシュで、あちこちで高層ビル が建築中だ。
西寧に訪れるのには7月から9月が一番よい季節とのことで、我々は最高のときに訪れていることになり、列車の予約は大変とのことである。例えば日本のあ る旅行会社は「チベット鉄道の旅」を企画しているが、この時期は列車の切符の手配が出来ずに中止しているとのことだ。翌日の朝にホテル内で、「現在時点で 列車の切符が獲得出来ていないので、どうしましょう」など別の団体のやりとりを耳にするにつけ、我々17人の鉄道の切符を確保しての旅行は「すごい」こと なのである。
この旅の感動は後日報告することにし、ここでは青海省の位置関係や環境についてレポートします。
青海省は平均海抜が3000メートルで4つの特徴がある。?土地が広いこと。72万平方メートルで日本の面積の2倍。?人口は500万人。?チベット族とモンゴル族の土地。?自然が多い。石油と天然ガスと水も豊富なところ。
翌22日、市内から高速道路で18キロ先の「タール寺」を見学。3600人を収容する大経堂や大金瓦殿で記念写真を撮ったり、チベット仏教の拝み方が 頭・目・心(胸)の前で3回手を合わせてお祈りすることなど様々な宗教上の説明を受けたが、当方は無神論者のためあまり関心はなかった。しかし使用されて いる金銀の量の多さには感嘆せざるをえなかったし、時の権力が言葉と文字と宗教で民の心を掴み政を支配していたのではないかと感じた。
午後に青海省博物館。この博物館は名古屋出身の小島プレス株式会社の小島社長が7億円を寄付して2000年に竣工したもので、チベットの絨毯の歴史など 展示している。小島社長は名古屋市南区熱田町の出身、南山中学を1949年に卒業した人で、私の住んでいる日進市にも工場を持っているとのこと。一度日進 市の工場を見学してみたいものだ。
この後、泥の上に出来たお寺として有名な北禅寺を訪ねた。この寺は明の時代に栄えた一番古いお寺とのことで「よく当たる占い」で有名。路上に占い師がのんびりと露店を開いていた。
22日も西寧に宿泊し、23日からはいよいよ青蔵列車の乗り場「ゴルムド」へ向けて、2日間で約700キロ(途中、「日月山」や「青海湖」に立ち寄り塩 湖で有名なチャカで一泊してゴルムドでもう一泊)のバスと25日からは1200キロの列車の旅が始まります。チベット・ラサに向けた砂漠のど真ん中での熊 谷君置き去り事件やパスポート置き忘れや高山病など様々な出来事をレポートします。お楽しみに。