「骨抜き派遣法改正に抗議し、派遣法の抜本改正を求める集会」が開催されました
2012年3月23日
3月22日、栄ガスビルにて「骨抜き派遣法改正に抗議し、派遣法の抜本改正を求める集会」が開催されました。
2008年秋から2009年初頭ごろにかけて大量の「派遣切り」が引き起こされ、東京のど真ん中に「年越し派遣村」が作られました。労働者の使い捨てと、深刻な貧困の実態が明らかにされ、民主党は労働者派遣法の抜本改正を公約に掲げて政権の座につきました。しかしその後、国会では派遣法改正問題はほとんど議論されず、今国会で「骨抜き」の改正がなされようとしています。
今回の集会は、そのような情勢をとらえ、派遣切り等の被害に遭った当事者の方たちの実態報告に重点を置きながら、現行の派遣法の問題点と、はたらく現場で「人が人らしく扱われる」ために何が求められているかを改めて明らかにするものでした。
当事者として、下記の方々が「当事者にしかわからない」思いを切々と訴えました(一部は支援者の方が訴えました)。
・三菱電機派遣切り裁判
・パナソニックエコシステムズ裁判
・日本トムソン裁判
・アンデン偽装請負裁判
・日総工産解雇裁判
ある方は、裁判を振り返り、苦しいたたかいだったが、立ち上がってよかった。同じ経験、同じ思いをした方にも頑張ってほしいとエールを送られました。
その後、労働法学者である和田肇さん(名古屋大学)が講演。松下プラズマディスプレイ裁判の最高裁判決は、いわゆる「事例判決(その事件の特定の条件下において判断がなされたもの)」であるが、各地の地方裁判所が最高裁判決を「黙示の労働契約を絶対に認めない」というような一般的な判断であるかのように捉えて思考停止に陥っていると批判しました。
また、各地で派遣切りにたたかっている労働者に心を寄せながらも、そのような裁判所の姿勢のもとでたたかわれている裁判は「ささやかな抵抗」にしかならず(もちろん、ささやかでも大きなことですが)、やはり労働者派遣法を抜本改正していく政治の力が求められていると指摘。そのうえで、派遣法は当面、法律がつくられた当初の形に戻すべきである(規制を強める)ということや、派遣法だけでなく、有期雇用に関する規制強化などが重要であると訴えられました。
実態を告発し続けることや、総選挙では派遣法改正の「骨抜き」を進めた政党を厳しく見ること、当事者のたたかいを支援し続けることが提起され、最後に集会アピールを採択しました。
2012/3/23
事務局K
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