文字サイズ 標準拡大

事務所だより

「豆電球」を始めるにあたって 豆電球No.1

2005年12月9日

点灯ー「豆電球No.1」

名古屋北法律事務所のホームページを刷新することになったことに伴い、「豆電球」と称するコーナーを設けさせて貰うことにした。

私が弁護士の仕事を通じて、あるいは様々な活動を通じて感じたこと、考えていることを徒然に書かせていただくことにする。

所詮、「井の中の蛙」に過ぎない、一人の弁護士が発言して何になるのか、と考えもあるが、一人の人間は微力ではあっても、無力ではないだろう。一人ひとり の人間の意志のベクトルがぶつかりあい、重なり合う中で、社会は動くものだろう。それなら、自分も何かを発言したい、発言しなければ、と思い定めた。

私の時々の発言は、稚拙なものであり、一面的であったり、誤謬を含むに違いない。是非とも忌憚のない御意見、ご批判をいただければ幸いである。

姉歯建築士の耐震構造設計の偽造の問題が社会を揺るがせている。欠陥マンションを買わされた住民の人たちは途方に暮れているのではないか。全く許すことはできない犯罪である。

昨今、プロフェッショナルと言われる仕事に従事する者たちの犯罪が摘発されることが増えている。医療分野では、重大な医療ミスにより人命を失わせた医師が業務上過失致死事件として立件される例が増えつつある。東京の著名な会計法人に所属する公認会計士によるカネボウの粉飾決算への加担も報じられていた。

西村真悟弁護士(衆議院議員)は、元事務員に交通事故損害賠償の交渉を行わせて報酬を分け合い、弁護士法違反(非弁行為提携)として立件された。私と西村弁護士は、司法研修所時代の同級生であり、タカ派の論客としての彼の言動は注目していた。逮捕された姿をテレビで見たが、弁護士の信頼を失墜させた行動は許されるべきではない。

プロフェッショナルと呼ばれる人々の不正を積極的に摘発しようとする検察の姿勢の反映だろうか。

プロと呼ばれる世界で、倫理と道義が廃れ、市民が不当に犠牲を被っているのであれば、その現実は暴かれて当然である。しかし、プロ中のプロと呼ばれる検察庁にも正されるべき問題があることを忘れてはならない。例えば、警察への従属、弱腰と呼ばれる姿勢。検察は、警察による不当な捜査を抑止することも重要な使命だが、全くその役割を放棄していることは周知の通りだ。

東京では、公安警察が、正当な政治活動を行っている市民を尾行し、マンションにビラ配布しただけで住居侵入罪等で立件したりしているが、検察は公安警察と 一体となってこれに協力し、起訴までしてしまった(葛飾マンションビラ配布事件等)。検察の任務放棄に対しても厳しく監視する必要がある。

2005.12.9 記

このページの先頭へ