「働き方改革」のまやかしを診る~労働現場からの告発~集会報告
2017年1月31日
2017年1月27日にウィンク愛知1003号室において、「「働き方改革の」のまやかしを診る」集会が労働法制改悪反対実行委員会(東海労働弁護団、自由法曹団愛知支部、愛労連等で組織)の主催で開催され、65名の参加がありました。
当日は、政府が進めている働き方改革の実態についての報告、各労働分野からの報告(教員、技能実習生、北部市場労働者、岐阜市職員自死、軽貨物の委託労働者)がありました。
報告の中で特に印象的だったのは教員の長時間労働でした。特に、部活動の指導が大きな割合を占めていることがあり、部活を持っている教員の労働時間が非常に長い傾向にあることがわかりました。給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)に基づいて時間外手当が支給されないというだけでなく、行政自体、教員には残業はなく「在校時間」と表現していることは驚きを通り越してあきれました。公立学校教員の長時間労働はひいては教育の質の低下につながり、子どもたちにしわ寄せがあるということは子供のいる親として無視できない指摘でした。
北部市場は、仕事内容が変わらず、経験があるにもかかわらず、一定の年齢になると給与が下げられたり、夜勤をしても夜間割増がない、といったように、信じられないような労働実態がありました。技能実習生の問題は昨年の総会でも報告がありましたが、労働法の光の届かないところでは、労働者の権利がないがしろにされるという
岐阜市職員自死では、多くの 真面目すぎる公務員が追い込まれている実態がありました。真に市民のために働きたい人が追い詰められ亡くなっているという実態が報告されました。
軽貨物事業は、言葉巧みに定年後退職者や転職者をターゲットにして請負の形態で契約を結び、労働法の潜脱を図っている実態が報告されました。
会場からは、労働時間も重要であるがパワハラによって労働者が使いつぶされている実情についても対策が必要だ、同一労働同一賃金ではなく、同一価値労働同一賃金を目指して議論をしていく必要があるなどの発言がありました。
次回は3月23日木曜日に同一労働同一賃金をテーマに講演を行う集会を行う予定です。
2017年1月31日 弁護士 白川秀之