養育費を取り立てるためには
2017年3月30日
離婚をする際に、未成年の子どもの養育費について取り決めても、時が経てば支払われなくなる・・・こんなことはよくあります。
養育費はお子さんの大事な権利です。しっかり養育費を払い続けてもらうためには、離婚する時にきちんとした取り決めをすることが大切です。口約束で決めただけでは、いざ支払われなくなったときに困りますから、強制執行(給料や不動産の差押えなど)ができるような形で取り決めをすることが必要です。強制執行ができるようにさえしておけば、サラリーマンは特に勤務先への強制執行を避けたいという心理が働くため、結果的に毎月しっかり払ってもらう担保にもなるのです。
養育費の不払いに対して強制執行をするためには、①公正証書で養育費について契約し、不払いの場合に強制執行をすることを支払義務者が受け入れる旨の文言も入れる、②調停で合意し、裁判所に養育費について盛り込んだ調停調書を作ってもらう、③離婚裁判(審判)で養育費支払いを命ずる判決(決定)を下してもらう、のいずれかが必要です。
双方に合意がある場合には、公正証書を作るのが一般的ですが、調停を申し立て、最初の期日で調停調書を作ってもらってもいいでしょう。これなら1回裁判所に出頭するだけで済みますし、手数料は、調停のほうが安く済む場合もあります。
また、このように養育費をきちんと取り決めておくと、相手の再婚やこちら側の再婚などの事情があっても、一方的に養育費の減額をされる心配がなくなります。支払義務者が養育費減額の調停などを起こして減額が認められない限り、最初に取り決めた金額を払い続ける義務があるからです。
一刻も早く別れたいから、相手も子どものことは可愛がっているから・・・と口約束だけで離婚しては、長期間の支払を続けさせるのは難しいことを肝に銘じ、何はなくとも養育費だけはしっかり取り決めて離婚しましょう。
弁護士 裵明玉
(「新婦人きた」へ寄稿)
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