破産手続あれこれ(その2)
2008年12月11日
破産手続はどんなときに出来る?
前回、破産手続が財産も含めて清算を行う方法だということを書きました。
破産を申立るには、当然破産手続が認められるための要件が必要です。これを破産原因といい、具体的には、借金をどうしても返せない状態(支払不能)であることです。
支払不能とは、借金を返済できるだけの財産をもたず、またこれを近く入手できる見込みもないため、弁済能力が一般的に、かつ継続的に欠けているという客観的な状態といわれています。つまり、財産や収入を考慮しても、借金の返済が出来ないことです。
財産がなければ手続はすぐに終了
そのため、破産手続の申立てには、債務の状況とともに財産の状況も裁判所に報告する必要があります。そして、破産手続の進行は財産の状況によって、大きく分けて?同時廃止事件と?管財事件があります。
同時廃止事件とは、債務者の財産を換価しても手続費用が支払えないことが明らかな場合、または配当すべき財産がないと判断された場合です。要するにそれくらい財産がない場合です。名古屋地方裁判所では総額40万円に達しない場合に同時廃止とする運用がなされています。破産手続開始決定と同時に破産手続きを廃止して免責手続きへと移行します。そのため同時廃止というのです。
管財事件って?
一方、管財事件とは、財産が一定額あるため、裁判所が破産管財人を選任し、破産者の財産を換価(平たくいえば現金化)するなどの必要がある場合です。管財事件の場合にも、財産を換価しても配当がない場合には、管財人が選任された後に廃止決定が出る「異時廃止」のケースと配当がなされるケースとがあります。
ここで、財産とは現金や預貯金の他に不動産や自動車、生命保険などの解約返戻金、退職金(8分の1)などを計算します。消費者破産の場合には、同時廃止になるケースが多いのが実情です。