災害について考える
2019年12月3日
台風、大雨、水害、こんな言葉が日本中を駆け巡った年でした。被災された方々には改めてお見舞い申し上げます。
日本全国どこでも災害は他人事ではありません。今回は、災害対策について考えたいと思います。
1 災害対策といえば、まずは身の安全。
食料や、非常用持ち出しバックの準備、避難場所や避難経路の確認です。ふだんから災害を意識し、どのタイミングで避難するか家族で話し合っておきましょう。
2 次に心配なのはお金のことです。
(1)支援金や義援金
災害時には支援金や義援金をもらえることがあります。これは原則、世帯単位です。
二世帯住宅の場合、同一世帯かどうかは建物の構造や住民票など、など様々な事情を考慮して決めます。別世帯ならば実態に合わせ、住民票を分けたり、公共料金を別々に払うようにしておくとよいでしょう。
(2)自宅の再建やリフォーム費用
被災者生活再建支援法の適用があれば、自宅の被害の程度等によって給付金を受け取れます。被害の程度は市町村が発行する「罹災証明」で決まります。
しかしこの法律は局地的な災害には適用がなく、適用されても最大300万円です。独自の制度をもつ自治体もありますが、自宅の再建等に十分とはいえません。
自衛手段は平凡ですが、火災保険の特約の、水害補償や地震保険に加入することです。家財の保障があるかどうかも確認しておきましょう。
(3)行政や弁護士を利用しよう
過去の災害の経験を生かし、災害時にお金を借りられる制度や住宅ローンなどの減免制度が充実してきました。困ったときこそ落ち着いて。行政や法律の専門家にアクセスすることを覚えておいていただければと思います。
弁護士 山内 益惠 (名古屋北法律事務所)
(「名古屋北部民商ニュース」へ寄稿した原稿を転載しています)