法律クイズ「異議あり」
2008年7月18日
異議あり
問題。弁護士や検察官が主役のドラマで刑事裁判の証人尋問などのシーンでよく「異議あり」という台詞が出されます。これはそもそも、誰に対するどんな異議なのでしょうか
- 検察官や弁護人の質問内容に対して反論をし、議論をするために行うもの
- 証人や被告人の回答に対して反論をするためのもの
- 検察官や弁護人の発言を制止しなかった点について、裁判官に対して行うもの
- 単に検察官や弁護人が裁判官に対して意見を述べるために言うもの
回答編(答は文末にあります)
裁判手続は、それを主宰する人がいなければただ単に当事者が言い争うだけの場になってしまいます。裁判手続を主宰するのは裁判官であり、どのように裁判手続を進めるかどうかを決めることができます(当然、当事者の意見を聞いて決めなければなりません)。裁判官が訴訟を主宰する権限を訴訟指揮権と言います。訴訟指揮権は証人尋問に際して、法律に則って質問者の質問を制限したり、証人の発言を制止することもできます。当事者である弁護人、検察官、被告人が相手方の質問、証人、被告人の発言を止める権限はありません。
検察官や弁護人の質問が不適切な場合であるのに、裁判官が訴訟指揮権を行使しない場合には、訴訟指揮権を行使するように求めることができます。そのため、「異議あり」とは、裁判官が訴訟指揮権を行使しなかったことについて、裁判官に対してする異議なのです。
答え 3