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知って得する法律情報

比較的安価な放射線測定器について

2012年1月13日

 3月11日の東日本大震災以降、放射線に対しての意識の高まりと共に、放射線測定器の需要が急速に高まっています。ただし、放射線測定器の性能については、必ずしも正確に計測できるとは限らないとの報告が国民生活センターから出されています。

 国民生活センターは、1万円から10万円未満という比較的安価な放射線測定器9台で、その性能を評価しました。

 評価結果では、放射線測定器では、測定値のばらつきが大きかったり、測定値の信頼性が低く、環境中の放射線量や食品・飲料水等の暫定規制値以下であるかどうかの判定に利用できる性能はなかった、との結果が出ました。

 販売をしている広告では、汚染検査に使用できることを期待させる表示が見られたり、放射線を正確に測定できる旨の表示をしているのもあったそうです。

 そのため、比較的安価な放射線測定器で、食品・飲料水等が暫定規制値以下かどうかの測定はできないので、こうした目的で購入・使用することは避けた方がいいです。

 また、測定器を用いても、測定器の示す値を直ちに信頼することは避けた方がいいでしょう。

 広告の性能を信頼して、測定器を購入した場合、詐欺や錯誤を理由に売買代金の返還を求めることが出来る場合もありますが、購入した業者と連絡が取れなくなったという報告もあります。

 こういった放射線測定器を購入する際には十分に注意をした方がいいと思います。

国民生活センター 「比較的安価な放射線測定器の性能」のページ
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110908_1.html

2011/12/27
弁護士 白川秀之
(ホウネットメールマガジンより転載)

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