改正貸金業法 6月18日全面施行
2010年4月22日
2006年12月に成立した改正貸金業法は順次施行されてきましたが、最後に残った上限金利の引き下げ及び総量規制条項について6月18日から施行することが、4月20日に閣議決定されました。
貸金業における「総量規制」とは
- 貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務づけ、
- 調査の結果、総借入残高が年収の3分の1を超える貸付けなど、返済能力を超えた貸付けを禁止する、
というものです。
これまで貸金業者は、本人が望みさえすれば十分な返済能力の審査をすることなく貸し付け、その結果借主を返済不能な状態に追い込むといった弊害が指摘されていました。
この弊害をなくすために、総借入残高が年収の3分の1を超えて貸し付けてはならないという制限を設けることによって、借主が早めに借金地獄から抜け出す機会を得られるようにするものです。
貸金業者側は、現に存在する「資金需要」が絶たれることによって、ヤミ金に手を出すようになり、かえって不都合が生じるなどと主張していますが、多くの多重債務者は、返済のための借り入れを繰り返しており、多くは消費に結びつかない(実需のない)架空の資金需要でしかなく、この悪循環を早期に断ち切ることが、多重債務者の早期の生活再建に役立つことは間違いありません。
未来永劫、架空の「資金需要」によって、利益を上げ続けたいと願う貸金業者の言い分に耳を傾ける必要はなく、確実な改正貸金業法の実施が、いま求められています。
もちろん、業者等の経営に不可欠な、真の資金需要に対しては手当することが必要であり、総量規制から事業者を除外し、事業者の認定を簡易にする工夫が必要なことはこれとは別問題として考える必要があると思います。
(伊藤)