司法情報 「わずか2円相当の電気盗み有罪」
2010年6月2日
わずか2円相当の電気盗み有罪 仕事嫌、テレビは見たい
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041301000690.html(47news)
電気料金の滞納で電気を止められた男性が、テレビ見たさにアパートの共用コンセントから電気(2円50銭相当)を引いてテレビを見ていたという事件で、大阪地裁は男性に懲役1年(執行猶予3年)の刑を言い渡しました。(2010年4月13日大阪地裁)
電気窃盗というのは昔から実務では問題とされてきたものです。というのも、刑法では、窃盗罪は「財物」という「形あるもの(有体物)」を想定していますので、電気が財物にあたるかどうかが問題とされていました。そのため、1907年に特別の規定を作って、電気は財物と「みなす」(刑法245条)と定められ、これによってこの論争には決着が付けられました。
今でもこの規定によって、電気窃盗は処罰されますが、電気以外の無体物については、常に問題となり得るところです。これまでにも、携帯電話の充電のために、コンビニのコンセントを勝手に使ったとか、喫茶店のコンセントを勝手に使ったとかで裁判になった例も実在しますので、コンセントの無断使用にはくれぐれもご注意ください。
2010年4月26日
弁護士 伊藤勤也
(ホウネットメールマガジンより転載)
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