借地権の譲渡について
2023年3月1日
長年、地主さんから土地を借り、住居兼貸店舗として使用している借地人のAさんから、「高齢となり廃業して田舎に転居したい。店舗を営業している知人に借地権を譲渡したいが地主が許可してくれない。」という相談がありました。
借地権も相続財産となり、都市部では借地権割合は土地の価格の5割前後が多いため、相続人に結構な相続税が課税されることがあり、Aさんもそれが心配の種でした。
借地契約では「地主に無断で借地権は譲渡できない」という条項がある場合が多く、Aさんも同様でした。借地借家法19条は、こういう場合、借地人の申立に基づいて裁判所が地主の承諾にかわる許可ができると定めています。Aさんの申立に基づき、裁判所は譲渡を許可しましたが、一定の保証金の預託、借地料の増額を条件としました。
借地権譲渡の許可が認められない場合もあります。詳しくは弁護士にご相談ください。
弁護士 長谷川一裕(名古屋北法律事務所)
(「北医療生協・医療と暮らし」へ寄稿した原稿を転機しています)