今月のけんぽう 26条 教育の権利
2013年1月10日
今月は、憲法26条です。
憲法26条は教育を受ける権利および義務教育について規定しています。
第1項は、いわゆる教育を受ける権利について保障しています。これは、どのような教育を受けるか否かについて、国から干渉を受けないということの他に国に対して、教育環境を整備するように積極的に求める権利があります。
教育内容を誰が決定するのかで、教育を実際に行う教師なのか国(自治体)が決めるのかは昔から議論されていましたが、裁判例では教師に教育内容の決定権があるものの、国も一定程度の教育内容決定の権限があるとしました。ただ、一般的に教育は教師と子どもとの対話によってなされるもので、一定の水準確保を越えて国の介入を認めることは許されないというべきでしょう。最近、大阪市などでは自治体の首長が教育内容に介入できるようにしようとする動きがありますが、警戒しないと行けません。
第2項では、教育を受けさせる義務および義務教育の無償について規定しています。
教育の義務とは、保護者に対する義務だけでなく、国も無償による普通教育を受ける機会の提供を義務づけてもいます。
2013年1月10日 弁護士 白川秀之